今日のブログは『柳影澤蛍火』の少し内容に触れて居り 
ネタバレにもなりますので 注意してお読み下さい。



柳沢吉保(海老蔵さん)が、江戸城内で護寺院隆光(猿之助さん)より
ある報告を受けます。

隆光が占った八卦の結果で 複数の懐妊中のお側女のひとりが上様、 
つまり綱吉(中車さん)のお種ではない!と 云う知らせです。

吉保は「たかが、八卦!」と 一笑しますが、隆光は直接 奥に通り
綱吉に この事を告げてしまいます。
 
すぐ様 綱吉は吉保に詮議せよ!と申し付けます。

そこで吉保は仕方なく 一計を用いて、不義のお側女を突き止めます。



さて、どうやって詮議を行いましょうか。

こういうわけです。

複数のお側女を茶室に呼び 千阿弥(市川右近さん)が
お茶を立てて飲ませた後 この様に申します。

「このお茶には、上様のお種でない子を宿された方には 
 上様は毒を入れられてございます。」

と そして

「上様はそれが誰か? もうすでにご存知! ただ 上様はお慈悲を持たれ 
 その不心得者も思えば不憫 一旦毒を盛れば余の気は済む。 
 その者 前非を悔ゆるに於いては長の暇を出す。
 今宵 訪ね来るならばこの千阿弥が毒消しを与えましょう。」

・・・と

その本人はこの吉保の罠に まんまとはまってしまうのですが・・・。
この後は、お芝居をご覧ください(笑)



ここで私 昔のある映画を思い出したのです。(笑)


1963年に公開されましたアンナ・カリーナ主演の
「千夜一夜物語 シェラザード」

所謂 アラビアンナイトのお話です。

正直 見たのがあまりにも 昔でありますので 詳しい内容は忘れましたが、
ある国王が妃になる人を求めて いろんな国から美女を集めます。

何人か集められた美女が 色んな儀式やゲームで振るい落とされ
最後に二人の美女が残ります。


そして最後のゲームとして国王が 2つのグラスに入ったワインを持ってこさせ

「このうちの一つには 毒が入っている。運よく毒の入っていないワインを
 飲んだらその者を妃にしよう。万一 毒のワインを飲んだら 残った者が妃じゃ!」と

先にグラスを選ばされた美女は 選んでも選んでも決心がつかず 
とうとう その場に泣き崩れてしまいます。

次にワインを選ぶのはシェラザード、
一つ目のワインを難なく選び それを飲み干します。 
そして さらに二つ目のワインにも手をかけ これも飲み干してしまいます。


それを見た国王は「なぜ、両方共に 毒が入っていないと分かったか?」と
尋ねると、「名君と云われる王様が 女を選ぶために毒酒で殺したとあっては
家名に傷がつきますでしょ? ありえないと思いました。」・・・と


確かこの様な内容だったか?と(笑)
違って居たら ご存知の方はお知らせください(笑)


本来 アラビアンナイト自体は、残虐な王様に毎夜 色んなお話を聞かせて
殺人を犯させないようにしたシェラザードのお話だったと思うのですが、
この作品はシェラザードが選ばれる時のお話だったような気がします。

もう一度見てみたいと思いまして DVDを探しましたが どうもDVD化
されていない模様??
あるのかはわかりませんが、手には入れられませんでした。


内容は少し違いますが 毒茶(酒)を持っての駆け引きは
洋の東西を問わず、物語にはあるのだなあ~と 思いました。