今日明日は久しぶりの2日連続の1回公演。
多少 先が見えてきましたでしょうか?

そんな中、今日明日はある団体さんの全館貸し切りのお客様。

いつものように、5分前から前説はあったのですが、どうも
スーパー歌舞伎には 馴染のなさそうなお客様たち。

開演しても、何が始まるのか? と云ったような 雰囲気が
1幕前半には かなり漂っておりました。(笑)

歌舞伎と云う事で、初めから期待していません的な感じで、
開演早々から何人かのお客様は すでに居眠りをされておられました。(笑)

こうなりますと 俄然燃えてまいりますのが わがおもだかや軍団!

お芝居にどんどん熱が入ってまいります。

1幕の半分が過ぎ お夜叉と王英が青華に捕まり 高キュウの策略で林冲までが
朝廷軍に捕えられ 梁山泊全員で救出に向かう 唄や踊りの場面では・・・

・・・ほとんどの人が寝ていられなくなったようです(笑)


だんだん拍手も増えていき、2幕 宙乗り 大立回り等 
客席での私とのやり取りでは お客様大いに参加して下さり、
結局 幕切れカーテンコールでは大拍手と大声援に変わり
再度のカーテンコールでは右近さんがご挨拶して 幕が閉まりました!

メンバー、一同 「してやったり!」の表情で今日の公演が終りました。(笑)

明日、もう一度同じ団体さんですが、どのような情報が明日ご覧になるお客様に
行ってる事でしょうね。


さて、今日のご紹介は、今月の私のお役 宋江付のスタッフのお二人です。

衣裳さんの田中準也(たなか じゅんや)さん

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彼は今回 松竹衣裳関西支社からの助っ人で彼だけが大阪在住の
衣裳さんです。

大阪のお話は彼とよく 息があいます(笑)


で 床山さんの三澤 慧(みさわ さとい)さん

イメージ 2


彼とは今年3月の新橋演舞場『かぐや』でも一緒でしたので 
気心が知れております。


今月1回公演でも1幕が終わるとすでに汗びっしょりの衣裳とかつら。
2幕が始まるまでの間では彼らが大忙しです。

1幕でびしょびしょの衣裳を乾燥機に走り 2幕の衣裳を着るまでの
わずかの間にある程度 乾かしてくれます。

かつらも、汗と1幕の動きで崩れた形を短い時間で 手入れをしてくれます。
(宋江の髭までも汗が伝っておりますので 1回の公演でいっぱいです。
2回の時は別の髭を交互に使っております。)

これが2回公演ともなると さらに昼夜の短い時間の間にもかかわらず
細かく手入れをしてくれているのです。

どうせ汗になるのだから・・・と 何もしないでいると かつらも復活しませんし
衣裳にも匂いがこびりつき たとえ自分の匂いでも 
衣裳を着ていられなくなってしまいます。


私達役者も私の場合 1時間15分の昼夜の間は、
15分の中で1回目のお化粧を落とし、汗になった下着肌着を替え 
その後およそ10分弱で食事を終え 夜の部1時間前には、
2回目のお化粧にかかります。

ゆっくりゆっくりやらないと 吹き出る汗でお化粧がのりません
(ここらはご婦人の皆様と同じかも・・・?笑)

そして30分前には衣裳を着る下準備にかかります。

今回のお役は中国ものですので、普段の和服と違い 縛るところがたくさんあり
私はそれ以前に 体の至る所にサポーターをつけております。(笑)
この下準備が大変!

その合間を縫ってトイレにも先に行っておかないと うっかりして舞台が開くと
大変な目にあいます(笑)

衣裳かつらをつけて 舞台での待機 準備が開演10分前。(正味65分)

こうしますと、1時間15分の昼夜の休憩が
如何に短いか お分かり頂けますでしょうか?(笑)

普段の歌舞伎公演と違い 開演時間から終演時間 1回公演はまだしも
2回公演の時までは一座の人間 全員がこの同じ時間の流れを共有しているのです。

ですから昼夜の間で食事のためのお湯を注いだり 用意したりの炊事場も
大混雑。トイレも大混雑。その間に衣裳床山さんは右往左往。(笑)

楽屋はこんな状態なのです(笑)

そんな中で、スタッフは開演中は舞台袖や楽屋での衣裳の着替え 拵えの手伝い
かつらの架け替えなどしている有様です。

2回公演開演時間 11時半と4時、その前の10時半から 終演後8時までの
9時間半くらいは、数秒の狂いも許されないくらいの時間帯で動いております。

舞台は戦場ですが、楽屋もこれまた戦場です。

その中 私は舞台6階 楽屋は4階 この2階の階段を行ったり来たりで 
足も云う事をきいてくれません(笑)

こんな状態もあと6日間 頑張れ 梁山泊の仲間たち。 

頑張れ宋江!

頑張れ猿三郎!

頑張れ!楽屋の全てのみんな!