本日、『男の花道』の加賀屋東蔵、無事に2日目を終わりました。

皆様にはご心配と 御声援のコメントをたくさん頂戴致しまして
本当にありがとうございました。

昨日のコメントは朝には 30件を超え、日中にも次々に頂きました。

本来でしたらそのひとつひとつに お返事をさせて頂くところですし、
お一人お一人の方への コメントのお返事と云うのは 私の信念の一つでありますが

今回は 代役?まだ2日目のために 気持ちにその余裕もなく 
ここで激励のコメントのお礼に 代えさせてて頂きます事 なにとぞ ご了承くださいませ。

頂きましたコメントは すべてを拝読させて頂き、
舞台への励みとさせて頂きました。ありがとうございました。



私の方から皆さまにご報告するのは、筋違いかも知れませんが、
お弟子さんの竹之助さんが、竹三郎さんにお電話を致しましたら、
はっきりとしたお言葉で、話しておられたそうです。 


竹之助さんによりますと、

「私自身もとても 安心しましたので この旨 皆様にお伝えください。

 ただ、芝居の話をしますと、気が気でなくなり 飛んできそうですので
 療養が大事なので 詳しい話はしませんでした。」


との事でした。(笑)


以前にも病院から、手元にお金もないのに お医者さんにお金を借りて
劇場まで来ようとした事があったそうですので、なるべく今は
芝居の話はしないようにして居るのです。

と 竹之助さんが笑いながら話してくれました。


本来 代役は3日ご定法という決まりで 私 明日までが代役なのですが、
今回は、千穐楽近くという事もあり 昨日の加賀屋東蔵の出番が
終わりました時点で 会社より「千穐楽まで本役という事で お願い致します。」
との打診がございました。


ですから、昨日の明治座でのお役の張り出しは あくまでも「代役」でしたが、
今日からの張り出しは 「お役の変更」と云う形になっているそうです。

もとより、私もそのつもりでおりましたので、千穐楽まで と云っても
あと3日でございますが・・・(笑) 頑張って舞台を勤めますので、
竹三郎さんにはゆっくり休んで頂きたいと存じます。 



ただ、やはりこの加賀屋東蔵のお役、役が大きいですので 「3日ご定法」の
力をお借り致しまして 竹之助さんにお手伝いをお願い致しております。

ちょっとややこしい話となりますが、3日ご定法が通用致しますのは、
あくまでも「代役」の時になります。
「本役」となりますと、すべてが変わってまいります。



本来では 「代役」という事になりますと、代わって下さった方に敬意を表し
例え立場が下の方でも、お師匠さんに付いていたお弟子さんがそのまま
今までと同じように代役の方に付くのが常例となっております。


衣裳の着付けの前に回る手助け 小道具と合いびき(古風な椅子)お茶等の入った岡持ちを
もって 師匠と同じように付き どちらからどこへ行けばいいか 
そのきっかけを教えてもらうのです。

それを3日間、「代役」の間はそのように、そのご好意を受けさせて頂きます。

これも「3日ご定法」による、「代役」を勤める側の受けられる 恩恵の一つです。



ただ 竹之助さんも新名題とはいえ 私と同じ名題クラスの役者さんです。

先輩後輩の違いはございますが さすがに今回 私は恐れ多いので、
着付けや岡持ち等の常例は省かせて頂きました。


ですがやはり 舞台に行くきっかけや 袖での待機場所 舞台に出る時の
台詞きっかけは お願いしないと 万一 タイミングが外れましたら
舞台上の出演者が困ってしまいます。


「3日ご定法」はこう云った引継ぎの作業としての常例となっております。

2日目に「代役」から「本役」となりました、私ですが やはり、きっかけ等は
まだ不安がございます。

明日まで、竹之助さんにお願いしてこの「ご定法」で お手伝いして
頂いております事が 本当に助かっております。


竹之助さんご自身が 今月は新名題のご披露の舞台。
さらに 竹三郎さんの御容態も おそらく一番気になさっていることでしょうが、
昨日からは 私と云う 思いがけない「気がかり」な存在が 出現してしまいまして
ほんとうに大変なことだと思います。

申し訳ないなあ・・・と思いながらも、彼の力を十二分に借りながら 
舞台を勤めさせて頂いております。

本当に ほんとうに ありがとうございます



大きなお役の代役と致しましては、数年前の歌舞伎座『海神別荘』の猿弥さんの代役
沖の僧都、以来ですが、この時は作品と台詞の多さに驚愕して あたふたとした 
苦い、苦しい、辛かった思い出しか ございません(涙)


今回は少し作品を楽しませて頂きながら 加賀屋東蔵のお役
千穐楽まで勤めさせて頂きたいと存じます。


昨日も書かせて頂きましたが、竹三郎さんには とても及びませんが、
私なりの東蔵を 作り上げていきたいと思っております。


残り3日間にご観劇の皆様、なにとぞよろしくお願い申し上げます。