ゴールデンウイークの連休も残り少なくなって参りましたね。
もっとも私にはあまり恩恵がございませんが・・・(笑)

でも、この1週間はお天気が良くて何よりです。
そして電車の車内がすいているのは助かります。

皆様も劇場にお越しの際は だいぶ楽なのではないでしょうか?

明治座花形歌舞伎も3日目を迎え だいぶ落ち着いて参りました。

夜の部の『按摩と泥棒』は猿之助さんと中車さんのたった二人だけのお芝居。

これも珍しいですね。お二人がガップリ四つに組んでのお芝居で、
どちらが図太い人間なのか? 最後の最後までわかりません(笑)


どちらが。。。と云いますと 本日の「ノンストップ」
早めの時間に特集がありましたので ギリギリ自宅で支度をしながら見ることが出来ました。

なかなか面白い お二人の対談?でした。

私も一瞬だけ、お稽古中に映りこんでおりました。お気づきになられましたか??
 

話を『按摩と泥棒』に戻します。

この演目 もともとは昭和26年6月に先代中車さんと猿翁旦那のお父上 先代段四郎さんが
NHKラジオの放送劇で 演じられたのだそうです。

パンフレットにはやはり、その後の舞台で上演され その時のコンビとして 
17世勘三郎さんと中村富十郎さん 長谷川一夫さんとの舞台を
紹介しております。

登場人物が少ないという事は それだけ台詞が多いという事で 今の私では
到底 出演は無理なお芝居です(笑)

でも、若いころには一度 一人芝居やこう云った 二人芝居には挑戦して
みたかったですね。 


今からもう ずいぶん昔ですが、1997年8月、猿翁旦那の軽井沢でのお稽古場 
天翔館が完成したときに おもだかの旅行会的な催しがあり、それぞれがいろんな組み合わせで
お稽古をして歌舞伎の色んな演目を 素(紋付き袴)で お客様の前でその出来具合を
見て頂いた事が ございました。

『勧進帳』の一部や『伽羅先代萩』の対決の場 『毛抜』の一場面等々、舞踊もございました。

その中で私 猿翁旦那より申しつかり

「なにか自分で ひとり芝居を30分ほど演じなさい」と云われました。

その時に何にしようか?と 思い悩み、シェークスピアの何かができないかなあ?
と 考え マクベス・・・と 思い至りました。

ただ、一人で演じるには台詞の量が 膨大すぎて 
また30分では到底 収まりません

そこでやはり時代物で・・と 考え 黒沢監督の映画の『蜘蛛の巣城』から
ヒントをもらい 部分的に抜粋して 台詞も自分で考え・・と云っても 
映画の中の台詞を ダイジェストにしたのですが・・。(笑)

能舞台形式に上演させて頂いた事がございました。


私の「鷲津武時」、所謂マクベス 

霧の中で三人の亡霊より 未来を予言されるところから 
空間のマクベス夫人とのやり取り 城主を殺しその城の主となり 
最後は攻め滅ぼされて 首に矢が突き刺さるところまでを一気に・・・。


効果音やBGMは専門のミキサーの方が居られたので 
台本と照らし合わせて うまくはめ込んでくださり 
ちょうど30分の 一人芝居を たった1回だけの上演として 
おもだかのお客様に 見て頂いた事がございました。


猿翁旦那も「なかなか面白かった!」と云って下さり その時は
うれしかったのですが あの緊張感たるや例えようもなく 
舞台上で助けてくれる人も 誰もいず 30分が3時間のように 
長く感じられ もう2度と御免です(笑)


このブログをご覧のお客様で あの時の私の『蜘蛛の巣城』見た方は
居られますでしょうか? もうずいぶん前ですから おられないかも知れませんね。

今日は『按摩と泥棒』から 妙な方向へお話が言ってしまいました。