さあ『かぐや姫』の公演 1週間が終わりました。
今日は昼夜とも一般のお客様で 客席も盛り上がって頂きました。

昨日までの9回の公演で、半分近くの4回が貸切公演だった事は
昨日のブログでも書かせて頂きました。

1回上演して 次の回が貸切 そしてその次が一般のお客様と、
それが続きますと どうもお客様の呼吸と云うものが分かりません

こう云った喜劇のお芝居は お客様が受けて下さらないと、舞台は
どこか空回りしてしまいます。


貸切のお客様がどうのと云う訳ではないのですが、お芝居は舞台で上演している間が
芝居の空間ではありません

劇場にご入場された時から 劇場を出られるまでが、お芝居の空間なのです。

どうしても、貸切の場合は開演前に または色んな幕間に 会社関係の方の
ご挨拶があったり 抽選会などがあったりします。


そう致しますと、 1幕で笑って下さって夢の空間に入って頂いたはずのお客様が 
また現実に引き戻され 2幕はまたその客様に対してまた、舞台上は、
1からのスタートラインに着かなくてはなりません

重ねて行って ひとつひとつの笑いが積み重なり 盛り上がって行くはずが
どうしても どこか組み違えたような空気が流れてしまうのです。


これはお客様が意識されての事ではないのですが、例えばお相撲の立ち合いで
相手の呼吸に入らない様に 仕切りをするのと似ておりますでしょうか?

間を外されると 全力を出せずに負けてしまう立ち合い。

これはお芝居にもございます。
如何にそのお芝居の呼吸に お客さまが入って来て下さるか?(笑)
喜劇と云うものは特にそうです。

やはり、お芝居を見ていただき、その空気のままで 幕間にはお食事をされたり、
売店を散策されたり。
お芝居の空気のまま 次の幕に入って頂きたいな・・・

・・・舞台に立つもののちょっとした 希望です。



猿翁旦那は貸切の場合 お客様の呼吸を先に見越され 貸切のお礼かたがた、
先にご挨拶に出られ 必ず、いつものテレビと映画や劇場との違いの例の口上の
お話しをされます。(笑)

やはりそこは上手いですね。(笑)それだけで客席の雰囲気がガラッと変わるのが
出演者には分かるのです(笑)

これが芸の術!


勿論、貸切のお客様もありがたいのです。
今まで お芝居を見たことがない方、歌舞伎を見たことのない方、
澤瀉屋に興味のなかった方、喜劇に興味を持って見に来られた方、
また、全く興味がないが、チケットをもらったから たまたま見に来られた方。



そんな方の中から お一人でも(お一人では悲しいですが・・・笑)次には自らチケットを買って
お芝居を見に来て下さる。

そんなとっかかりになりましたら これほど嬉しいことはございません。


ま、そう云った意味で 団体貸切のお客様方と一般の方の客席では、どうしても舞台での
出演者の皆の反応はちょっと・・・違うかなと感じてしまいますね(笑)


今日はこの『かぐや姫』をはじめから 見に来て下さるのが目的のお客様。
呼吸が合わないはずがありません 客席が盛り上がらない筈がありません(笑)

そうなると私たちも乗って参り、さらに、面白く・・・と思います。
私も、アドリブ連発でした。(笑)

この出演者と客席の 呼吸のキャッチボールこそが お芝居の 
そして スーパー喜劇の醍醐味。

笑って頂き、楽しい所では 拍手をしていただき、そしてまた 盛り上がったら
拍手をしてくださる。

劇場いっぱいの拍手は、私たちをさらに元気づけてくれます。


やはりお芝居は、現実を忘れて 夢の世界で楽しんで頂きたいなと思っております。
そのためには 私たちは 現実を忘れさせるぐらいの「夢」をお見せしないと
いけませんね。頑張ります!(笑)