昨日は盛岡で宿泊して 今日は 朝に宮城県仙台へやって参りました。


関東は大雨に泣かされているそうですが、巡業組は小雨程度にはあっていますが、
まだ大降りの雨には 遭遇致しておりません

盛岡の朝も少し晴れ間も見えました。 


先日に乗って秋田まで行った『こまち』とは色違いの『はやぶさ』

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先日はここで切り離されて 秋田へ行った『こまち』でしたが、
今日はここで『はやぶさ』と連結され 仙台へ向かいました。


仙台に着いた途端に 今日は本降りの雨と遭遇致しました。
県境をひとつ越えるだけで お天気は随分 違うものですね。


盛岡 仙台は所謂 奥州。


仙台は先月、明治座の『伊達の十役』の舞台となった、『伽羅先代萩』の伊達藩。


今日の会館 宮城県民会館はこの伊達正宗の居城 仙台城(青葉城)のすぐそばにございます。

会館の写真は雨の為に あまり綺麗に撮影することが出来ませんでした。



この仙台から 南に行きました所、白石に、ある名産がございます。

『一本刀土俵入』の幕開きにもこの名産が登場致します。

と云っても 品物その物が登場する訳ではなく それを売って歩く行商人が
人込みにまかれて 登場しているのです。

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猿之助さんのお弟子さん 郁治郎さんにお願いして 撮影させて頂きました。


彼が手に持っているのは幟でして、それには「名産 奥州孫太郎虫」と書かれてございます。

ご年配の方はピンと来られた方も 多いのではないでしょうか?


これは、白石の斎川と云う処の名産だそうで、正式には『奥州斎川名産孫太郎虫』との
触れ声で 1930年くらいまでも 販売されていた一種の薬だそうです。


事実 この触れ声 『一本刀土俵入』の幕開きに、唄として唄われております。
(ぜひ聞き取ってみてください)


孫太郎虫、これは私も初めて聞きましたが ヘビトンボと呼ばれるトンボの幼虫だそうで
これを炙ったり 炒ったりして 子供に食べさせる(飲ませる?)と 子供の疳に効くとされて 
江戸時代には薬売りが行商していたそうです。

・・・が、果たして効果があったのかどうかは 私はわかりませんね(笑)



御芝居の中では 「年月揃いし誰々の生き胆!」などの想像上の薬などもございますが 
この薬は長い年月 販売されていたのは事実だそうです。

ちなみに『義経千本桜』の「椎の木」のこせんの台詞にでてまいります「洞川の陀羅尼」は
今も売られております。

実際に 我が家にもございます(笑)


歌舞伎の中で生きているものが、時を経て 私たちもまた現在進行形で使っているものも
あるわけです。。


気になられた方は 孫太郎虫 調べてみて下さい。



今日 奥州仙台に於いて この話題を書かせて頂きました。

今までにも この演目は何度も出させて頂いておりますが、
私も今回初めて この幟に目が行きまして 小道具のBちゃんに聞きましたら 
詳しく教えてくれました。


普段 自分が出ていない場面の小道具などには なかなか目が行かないのですが、
巡業公演ですと 廊下になにげなく置いてあったりして ふと気にかかったのです。


Bちゃん ご協力ありがとうございました。

『一本刀土俵入』の舞台をご覧になられる時に 郁治郎さんのこの幟にもご注目頂けると、
少しは楽しみも増えるかと 思います。