今日は『上州土産百両首』のお芝居の 一つのエピソードです。

20年前の12月 歌舞伎座で上演された『上州土産百両首』のお芝居。

主演のお二人は正太郎 三代目市川猿之助(猿翁)さん 
牙次郎 五代目中村勘九郎(勘三郎)さん

このお芝居の2幕目に上州館林の料亭「たつみ屋」の場面がございます。

兄貴分の金的の与一は段四郎さん みぐるみの三次が歌六さん

今月でも ここに仲居が二人登場致しておりますが、そのうちの一人が喜昇さん


20年前の折には 段之さんが演じておられました。


喜昇さん このお芝居を歌舞伎座で、学生時分に見て 良いお芝居だなあ~。

と 思いながらも 段之さんの この時のお芝居の印象が強烈で忘れられず、

こんど、このお芝居が出た時には、私があの仲居のお役がやってみたい、と

思ったそうです。 


役者には個人個人 そう云った折に触れてのあこがれのお役も

多々ございますが、久しく出ていない20年後の『上州土産百両首』に

念願かなって まさか自分が勤める事になるとは 夢にも思わなかったそうです。


大きなお役だけが あこがれではなく チョイ役でも あの人が演じると

違うね~!! と 云われる役者こそ 私たちの求めるものかも知れません 

今日の写真は その料亭「たつみ屋」の仲居役の喜昇さんです。


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