ここのところ ドラマで話題をさらっているお二人。中車さんと愛之助さん

一昨年の9月の末、ちょうどこの時期ですが、香川照之さんが歌舞伎界に
入って来られ 市川中車襲名。

それと同時に亀治郎さんが四代目猿之助襲名。旦那が二代目猿翁襲名と云う、
ニュースが流れました。 


その時は私たち一門の人間は 本当にビックリ致しました。

それから もう2年の歳月が経ちます。


それから昨年六・七月のの新橋演舞場での襲名披露公演。 
もうすでに去年の出来事です。

中車さん主演の襲名披露公演の『小栗栖の長兵衛』はすでに上演回数100回を超え
私も中車さんとは何回も 同じ舞台に立たせて頂きました。(笑)


そう考えると不思議なもので 今まで映画やテレビで見ていた「香川照之」と云う
俳優さんは 色んな意味でうまい人だなあと云う 印象はありながらも 
まったく私の知らない人でした。 

テレビで見ていてもどこか、他人事で見られる安心感がありました(笑)


でも襲名公演を何回か終え 中車さんと云う一門の人間となった香川さん?中車さん?は
もう他人ではありません

そのひとが『半沢直樹』と云う 大ヒットドラマに登場しているのは、
私が知っている中車さん(香川さん)です。



面白いものですね。例えば染五郎さん 勘九郎さん 七之助さん 愛之助さんたちが、
テレビや映画に出ていても それは歌舞伎の同じ舞台に立った事のあるひとが、
他の分野に出ていると云う意識がありました。

でも香川さんは先に テレビ・映画での印象しかありませんでした。 


そのかたが、私の知っている中車さんになったのが、不思議な感覚です(笑)




もう一人は愛之助さん 

『半沢直樹』このドラマのヒットは 中車さん 愛之助さん無くては 
考えられないでしょう。

愛之助さんは 関西での勉強会「若鮎の会」でのメンバーの時にはまだ子役時代。
片岡千代丸の名前でした。


その因縁深いお二人と今 こうやって、10月 12月とご一緒するのは、
なんとなく 不思議な感覚 嬉しい限りです。(笑)



今日は10月のかつら合わせに 銀座まで行って参りました。

先に申し上げた愛之助さんも出演している 歌舞伎座の夜の部『陰陽師』の一幕見は 
1時頃にもうすでに長蛇の列。

私も、見る事が出来ればと思ったのですが、さすがに長時間並ぶ気力は 
ありませんでした。



新しい歌舞伎座。それに値する話題。若手の台頭。 その他、
歌舞伎の未来は明るいかも知れません



でも、ただお客様が多く来られる事に胡坐をかくことなく 毎月毎月の各座の歌舞伎。

話題だけでなく さらに磨きをかけて行かなければ 行けないなあ~と 
思った次第です。



来月の松竹座も そう云った意味で32年前 国立文楽劇場で上演した上方型の
『夏祭浪花鑑』 当時の我當旦那の團七を 今度は愛之助さんが演じます。 

私も32年前に出演していた一人ですが 他に何人の方が出演しているでしょうか?(笑)

そう云った意味で 私 猿三郎も 上方とおもだかやと 
両方に縁する不思議な役者ですね。(笑)