梁山泊に入山している悪党どもの中で 唯一の夫婦もの。

「裏の顔は殺し屋でも 表の家業はれっきとした仕立て屋だ!」 と
豪語している侯健(こうけん)。


勇ましい事を言っているようですが、この殺し屋 
どうも女房には頭が上がらない様です(笑)
王英 お夜叉 林冲を助けに行こうと 女性陣どもが 姫虎と

行動を共にしようとしながら この亭主 なかなか姿を現しません

「亭主 戦いの為の旗持って来い!!」と 怒鳴られると 

「やい 女房 旗というのは軍隊の命じゃ!
 お頭の命もなく そんなこと出来るかい!」と

侯健が云いますと 女房は頭を叩きかけます!


そこへ お頭 晁蓋が 「われらの戦いの旗を 持って参いれ わしも参るぞ!」と 
命じますと 「お頭の命とあれば命の旗を ご用意致します。」と 

どこまでもお頭に忠実な男 侯健。 そして その女房 



ところが、他の人たちは名前があるのに この侯健の妻 台本にも
「侯健の妻」と書かれてあるだけで 名前が一切 出て参りません(笑)


ま これも夫唱婦随でいいか!(笑)


この夫婦役を演じているのも 侯健 龍蔵さん 妻 笑子さん


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もう二人とも おもだかやの一門では ベテランです。



何を隠そう 龍蔵さんは 私同様 関西での勉強会 初期若鮎の会の
残り少ないメンバーのひとりです。


上村吉弥さんの『合邦』の折には 俊徳丸を演じた人。

『乗合船恵方万歳』での田舎侍など 味のある演技をさせれば右に出る人もなく
替天行道の旗を 作り上げた職人として 今回の侯健など うってつけのお役です。


また笑子さんも 2003年10月の国立劇場公演『競伊勢物語』で
一日だけ行われました勉強会で 小よしを好演して 
その評価も高かったです。


今回の このなんでもない夫婦役に醸し出されて居る雰囲気は
お二人がそれぞれに 積み重ねて来られた結果でしょう。


このふたり 本当に夫婦で殺し屋なのでしょうか?(笑)


実は、この夫婦、大阪バージョンで ラブラブ度が増した気がします。
妻は口ではきつい事を言っていても 侯健のことが大好きなんでしょうね。
「替天行道」の旗を「魂をこめて 仕立てました」という場面は
是非二人にご注目下さいね。

ひとり者が多い(?かは・・・分かりませんが・笑)梁山泊の面々には
うらやましい限りです。


旅は道連れ 夫婦は情け
なにがあっても 夫婦善哉


この歌詞がしっくりくる そんな梁山泊の夫婦ものです。