本日は 須賀川市文化センターでの公演でした。

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昨日同様に こちらも開演の前に式典がございました。
須賀川の 郷土芸能に対してという形で 支援させて頂きました。

どうしても、こういった 文化芸術に対しての意識は 後回しになってしまう感は
あるかもしれません。

でも、私たちは 私たちのできる形で、皆様の記憶に残る舞台を
つとめられたらいいなと思います。

そして、須賀川の伝統芸能が 一日も早く 復興してくれることを願います。


昨日の式典の模様も テレビ等で見ていただいたとの ご連絡を
いくつかいただきましたが 東京の自宅でとっております新聞にも
記事が出ておりました。



そうです、今日は自宅にいるのです!

公演後にみな東京に向かいまして 今夜は自宅にいる人が多いのでは。

私も久しぶりに自宅でゆっくりと 夕飯をいただきまして、
ブログを書いております。


実は、巡業中の某所(笑)から 自宅あてに海産物を送る手配をしました。
今日に合わせて。

久しぶりの自宅で、その時に手配したモノを食べるのを楽しみに 本日帰宅。

ホタテのお刺身と 焼き物、アワビのお刺身に 本当は丸焼きも
食べたかったのですが、ちょっと食べきれません!

明日の昼にゆっくりと 食べたいと思います。

モチロン 帰宅してから 二度の洗濯を行いました。
明日の出発までに 乾いてくれることを 願います。



さて、話は変わりまして・・・・

昨日 若手の紹介で 市川喜楽くんを紹介させて頂きましたら、
多くの方々から応援 ご声援のメッセージを たくさん頂きました。

ありがとうございました。

21歳の彼。

気が付くと 一門が30代以上になってしまいましたので、貴重な若手です。 

皆様、21歳とは さぞかし 一門最若手と 思われた事でしょう。



実は 国立劇場養成所、第20期生で 今年4月 こんぴら歌舞伎で
おもだかや一門に入門した人が もう一人おります。 

喜楽くんと同期で これからよきライバルになっていくであろう この人。


川連法眼館の腰元たち その中でも一番若い腰元がこの人!


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彼は 市川喜美介(きみすけ)くん

ふっくらとした 古風な顔立ちで 年齢は喜楽くんより さらにひとつ若い 20歳。  

やはり今年3月に養成所を卒業して 4月のこんぴら歌舞伎から 
右近さんに入門して、市川喜美介を名乗りました。 

彼もまた歌舞伎3ヶ月の若手です。


にもかかわらず、今回は大抜擢で『四の切』の六人の腰元の中にも交じって登場して 
しっかり 難しい台詞もこなしております。


(私が若い頃 この腰元の一番最後に 初めて出させて頂いた時は、前五人は 
 本当に そうそうたるベテランの名題さん達、 
 足が震えたのを覚えております・・(笑)彼も今 震えているでしょうか)


最若手の喜美介くんですが、実は彼も 喜楽さんに 負けず劣らずの

経緯を持っている人物でして 彼の事も ここで少しご紹介 させて頂きます。


喜美介くん 実は長野県岡谷市出身でして、ご自宅は、なんと!!
一門の笑野さんのお隣。


小さい頃から、日本舞踊を舞う笑野さんに憧れて 日本舞踊を笑野さんのお母様 
藤間 微豊華(ふじま みほか)さんに習い 笑野さんを追いかけて 
国立劇場の歌舞伎研修生養成所に入り 2年の修業を積んで 晴れて今年卒業。 


その後、右近さんのお弟子さんになったと云う 彼もまた、自分の描いた夢を
現実のものにしている 素晴らしい若者です。


喜美介くんも 今月は腰元役の女形ですが、トンボも返れて 立ち回りもうまく

即戦力として 4月こんぴら歌舞伎の 右近さんの『京人形』では 
大工のひとりとして 初舞台を踏み 立ち回りにも参加しておりました。



喜楽くんともども、おもだかや一門に 若い大きな力を 加えてくれました。


正直、『義経千本桜』の通し上演初演の時。 五段目 蔵王堂の大立ち回りの時は
私たちが 最若手でした(笑)


以前にも書かせて頂いたことなのですが、

この当時の 歌舞伎の立ち回りと云えば 菊五郎劇団の名題下連が有名でした。

猿翁旦那の初期の時、この劇団から 人を借りて来て 立ち回りをしておりました。

しかし 劇団のお芝居が開く時は 立ち回りの人数が集まらず おもだかやだけで 
なんとか大立ち回りが 出来ないものかと 私たちも 猿十郎に トンボを習い、

一時期は 菊五郎劇団よりも若手が増え 蔵王堂だけでなく 至る所で
その力を発揮しておりました。 


ですが 時代が進むにつれ その当時に奮闘していた私たちも 歳を重ね 
名題となる人 やめて行く人たちも出る中、

逆に菊五郎劇団に若手が増え また一時期 立ち回り戦力が 逆転してしまったのです。


そんな中 今また若い彼らが加わってくれた事により ある程度の立ち回りは 
また一門だけで 出来るようになって来ました。



二人とも これから歌舞伎の舞台では 数多の山、谷が ありますでしょう。


その道は 私や今おります 数多の役者すべてが 知っております(笑)
体験してきたものです。


その山や谷は もちろん越えなくては意味がございませんが、
越え方も 人それぞれです。


きっと、自分が苦労している山を 後から来た人が 何の苦も無く
越えてしまうこともあるでしょう。

それを近くで見ているのは きっと たまらなく つらいことでしょうし
くさってしまうこともあると思います。


私もそうでした。



自分が越えられなかったモノを いとも簡単に 越えて先に行ってしまう人たち。


でも、思います。

私も 簡単に越えてしまったものは、覚えてない、印象に残っていない
そういうものが大多数です。

苦労して、必死になって、つらい思いをして 越えたものは しっかり覚えてます。 


まだ、彼ら二人には そんな山も谷も 訪れてはないと思います。
でも、きっと きます。

その時にも 目の前のことにくさらず、前を向いていってほしいものです。


挫折挫折で、それでもここまで来た 私が言うのですから。



お客様も是非 喜美介くんにも ご注目、ご声援を よろしくお願い申し上げます。