歴史を感じる、最近の『ヤマトタケル』は 今回の博多座の公演で一区切りです。

今度、同じ意味合いでこの『ヤマトタケル』が、どのように上演されるのでしょうか?


私の後輩で 長年、舞台を勤めていた人たちが 今月の『ヤマトタケル』では
重要なポジションに居る事も 当たり前なのですが、感覚的には不思議なものです。


1幕2幕の朝臣(まえつぎみ)4人が出ております。
初演の時には私の父も朝臣のひとりでした。

今回は 龍蔵さん 笑三さん 澤五郎さん 弥七さん(弥十郎さんのお弟子さんです)

初演の時は、1幕の一番最初に登場する朝臣と その後の朝臣とでは
メンバーが違っていたのです。

2幕に朝臣になった人は、実は1幕では 舎人や申し次のひとりであったと云う
細かい設定?もございました。


そのメンバーだった一人に 澤五郎さんがいました。
当時は、1幕では舎人で、2幕以降に朝臣に昇進していたひとり。

右近さん 段治郎さんバージョンでは 出演しておりませんでしたが、
久方ぶりに 初演当時のお役が 今回の猿之助さん襲名公演で周って参りました。


ご本人 感慨深いそうです。


1幕に 勘五郎さん(後の中村仲蔵さん)私の父(嵐冠十郎)
實川延郎さん 市川猿五郎さん

2幕は、勘五郎さんが新大臣となりましたので 筆頭に父冠十郎 中村太郎さん 
猿十郎さんの次に澤五郎さん(当時 笑太郎さん)が幕開きに 登場しておりました。


朝臣、色んな意味で 歴史があり そして人それぞれに 歴史がございます。


この歴史に従いますと 私も本来でしたら 後の新大臣に昇進したとしても
一幕では朝臣の一人として 並んでいる筈なのです。

今回はもしかしたら その演出に戻るかなと 思っていたのですが、そのあたりは 
再現されませんでした。

私(新大臣)は、どこか陰で暗躍していたひとりなのでしょう。(笑) きっと。



今日の写真は その朝臣のうちの二人です。

澤五郎さんと弥七さん。

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弥七さんも もう歌舞伎歴 20年超え選手でしょうか?

実は弥七さんを 弥十郎さんに紹介したのは 私なのです。


当時 役者志望で色んな劇団に在籍していた 当時の弥七さんと 
ふとした事で知り合い なんとかお芝居がしたいのです と云う かれの熱意で 
弥十郎さんに紹介したのが かれこれ 20数年前。 

彼も歌舞伎の世界に於いては もうベテランの域に入って参りました。


後輩が多く入って来た彼は、今 どの様に当時を振り返り 
今を過ごしているのでしょうか?


正直 怖くて そこまで私も話は 聞けないのも事実ですが・・・。(笑)

一度 聞いてみましょうかねえ?



朝臣のそれぞれにも きっと「ヤマトタケル」という物語の中で 物語があるでしょう。 
「ヤマトタケル」というスーパー歌舞伎の歴史の中でも、色々な物語があるのです。


カーテンコールの後には 遠からず?? また新しい大臣が 私の新大臣に
とって代わって あらわれている・・・・かも? しれません。
(一応は タケヒコが マエツギミになってますが。。。)

朝臣、大臣。  登場人物それぞれに 演者それぞれに 歴史がございます。

そのあたりもまた、ご覧頂ければ。。。と思います。