御園座 続きの5ツ目の隈取り、実はこの隈取りに 大いに悩みました。


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形としては 般若隈(はんにゃくま)と呼ばれる隈取りなのです。


お役としては 『車引』の藤原時平(ふじわらのしへい)

《史実では(ふじわらのときひら)ですが、歌舞伎では (ふじわらのしへい)
 と読みます。》


『暫』の清原武衡(きよはらのたけひら)などと云った 
公家悪(くげあく)の 隈取りなのですが、いずれも藍色を使い 
紅で公家悪を描く事が あまりないのです。


この般若隈、別名を平九郎隈(へいくろうぐま)と呼ばれ 
初代山中平九郎と云う人が、考案した隈取りと云われております。


ただ、戦前に七代目幸四郎さんが語られている『車引』の中で、
上おきとして 五代目歌右衛門さんが藤原時平に出て下さった時に、
それまでは紅で描かれていた、般若隈を藍色にして、
梅王丸の(筋隅)と似ていたのを 違いを鮮明にされ 
さらに凄みを 増した。

と云う事が 書かれてございます。



それ以後 時平は藍隈を用いる事が多くなったと云われております。


実は昨日 もう少し確かめてから、と書かせて頂きましたが、
色々調べましても 紅で描く、般若隅のお役が、
私 勉強不足で、思い浮かんで参りません 


もし、御存知の方が居られれば お教え頂けると 幸いでございます。