今日から名古屋 御園座のお稽古が、東京でスタート致しました。

『小栗栖長兵衛』は名古屋で3度目の 上演となりますが、
同じ、中車さん主演の『ぢいさんばあさん』は、今回が初演。

中車さん 笑也さんのある意味異色のコンビで 夫婦役を演じられます。


中車さんの美濃部伊織 その周りの友人たちには 下嶋甚右衛門に右近さん

そして私が、柳原小兵衛 門松さんの山田恵助 弘太郎さんの石井民之進 
薪車さんの戸谷主税。

等々、皆が初役です。

どんな舞台を 繰り広げる事でしょうか?(笑)




お話は変わりますが、昨日 コメント欄に懐かしいお芝居を振り返っての 
お便りを頂きました。 それもお二方から・・・。



昭和54年(1979年)11月 池袋サンシャイン劇場で 
映像と歌舞伎をドッキングさせて 連鎖劇のように仕上げました、
『奥州安達原』の半通し狂言。



舞台のスクリーンには、すすきヶ原に前九年の役に敗れた安倍頼時。

(猿翁旦那の扮装姿 実際には歌舞伎では登場しない人物なので 
 これをご覧になった方は 大変貴重なご観劇かも? 
 それに映像だけにしか登場しないので ほとんど写真がございません)


手負いで登場して 飛んできた矢に 止めを刺され 見開いた目の見得の形で、
炎にまかれ 『奥州安達原』のタイトルが、映画同様 スクリーンいっぱいに
広がります。


そしてつづいて同じく映像で 源八幡太郎義家(先代門之助さん)が 
安倍頼時を滅ぼした所から 武運長久を祈願しての1000羽の鶴を 
放つ所から始まります。 


この後に猿翁旦那が 裃姿で客席に登場して およそ15分にわたり 
物語の発端と ここまでの経緯を スクリーンの映像と解説で お話をされ 
二段目の鶴殺しから『善知鳥文治住処の場』へと お芝居がつづきます。


この二段目のお話は 4月のこんぴら歌舞伎の前にまた 改めて詳しく 
書かせて頂きます。


そして三段目の前半「敷妙上使」の場面から後半「袖萩祭文」時も映像が流れ
猿翁旦那の桂中納言から袖萩の女形への拵え変えも 幕間なしにつづき、
お君に手をひかれ 盲目の袖萩が御殿へ、たどり着くまでを

映像で先にお客様に ご覧にいれ 御殿についた時 映像と同じ場面が
舞台に出来上がっており、スクリーンから抜け出したように 
袖萩とお君が花道に登場すると 
お客様からは毎回 ため息が漏れておりました。


今日の写真は その昭和54年当時のサンシャイン劇場での番付の表紙です。

イメージ 1




そして映像の中から 抜け出したような 猿翁旦那の袖萩。


イメージ 2



引っ越しに次ぐ引っ越しで 散逸してしまった番付が多い中、
これが 手元にありましたのは 思いがけないことでございました。



私はこの時、まだ本名での出演で これも貴重な記録ですね(笑)

序幕の鶴の後見と 三段目 環宮明御殿での腰元(と、もうひとつ)に
出ておりました。



この番付の中に 1枚だけ白黒で 猿翁旦那の安倍頼時の写真が掲載されております。


いずれにしても 34年前のお話です(笑)