『毛抜』と云うお芝居。 登場人物はたくさん出て参りますが、
みんなが繋がっております。(笑)


が、案外分かりにくくなっておりますので、ここでちょとばかり
整理してみましょう!


小野春道(竹三郎さん)と春風(門之助さん)錦の前(笑野さん)は親子。
ですから春風と錦の前は兄妹です。


八剣玄蕃(猿弥さん)と八剣数馬(弘太郎さん)も親子。


私 万兵衛 実は石原の瀬平は 玄蕃の手下。

妹と呼んでいる小磯を すでに前の場面で 殺しております。

(本来の小磯の兄である 万兵衛は別に居り 弾正(右近さん)が
 実は匿っております。)


そして 秦民部(薪車さん)と秀太郎(春猿さん)は兄弟。 


腰元、巻絹(笑三郎さん)と若菜(喜昇さん)のお役は 本来はひとりのもの。

一人で「巻絹」役として 最初から出てくる事もございますが
今月は 喜昇さんの名題披露の意味もあり、前半は「若菜」として
巻絹と別人が出て参ります。



わりと 人間関係が簡単でしょ!!(笑)

そんなことないですか??



八剣玄蕃は 通し狂言『雷神不動北山桜』では 
本来の悪 早雲の皇子の片棒をかつぎ、朝廷をひっくり返し 

早雲の皇子の手に権力を 持たせようとする人物です。


そして、ここ『毛抜』の場で弾正に斬られてしまう訳です。


そして この後に『鳴神』の場面へと続き 

幕切れが『不動』の場となります。


『鳴神』への繋がりは 長くなりそうですので、また機会がございましたら。


こう云った一つの通し狂言の中で、何か所かが独立した狂言として
成り立っている物も、結構珍しいのではないかと思います


一度通し狂言でご覧になると お話がよくわかるかと思います。



今日の写真は ご主人 小野春道 春風を親子を助け 

錦の前の婚儀に奔走する、秦民部の坂東薪車さん

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坂東竹三郎さんとともに、ここ最近では ご一緒する機会が
多くなってきたのも昔に帰った様で、とても嬉しいです。


姿かたちがいいので、人気のある役者さんですね。