松竹新喜劇の重鎮 小島秀哉さんが17日にお亡くなりになりました。

子供の頃から 藤山寛美さんの舞台を生やテレビなどで何回も見せて頂き、
お顔はよく存じ上げておりました。

小島慶四郎さんと並んで 名脇役のお二人でした。



小島慶四郎さんとは何回も 藤間紫先生の『西太后』で
ご一緒させて頂きましたが、

小島秀哉さんとは 2005年11月大阪松竹座 12月新橋演舞場
藤山直美さん主演『たぬき御殿』で 初めて御一緒させて頂きました。



藤山直美さんの他には  小島慶四郎さん 大津嶺子さん 曾我廼家玉太呂さん 等
元松竹新喜劇のメンバーと 

藤間紫先生 市川門之助さん 私たちおもだかや一門で
右近さん 笑也さん 猿弥さん 春猿さん 寿猿さん 等々。


多彩な顔触れでその名もスーパー喜劇『たぬき御殿』(笑)

結局 小島秀哉さんと、ご一緒させて頂いたのは
その2ヶ月だけとなってしまった訳ですが・・・。


たぬき御殿 面白い演目でした(笑)
とても楽しい 舞台でございました。

まだ このブログを 始めるよりも前の舞台でしたので、
紹介した事は なかったでしょうか?

ご覧になられた方 どのくらいいらっしゃるのでしょうか。



もちろん時代劇です。直美さん主演の たぬきの世界のお姫さまが 
人間界の若殿(右近さん)に惚れ その母の紫先生に乗り移った九尾の狐が
一国を乗っ取ろうとします。 

そうはさせじと 若殿を助けるたぬきと、狐が 人間界で戦うお話。(笑)

(たぬき界は松竹新喜劇のメンバー、対する狐界は私たち歌舞伎のメンバー)


紫先生が やさしい母と 狐に乗り移られた 悪母と 変化のある二役。


私は人間に乗り移った狐界の悪家老で 
小島秀哉さんは、たぬき界の直美さんの父親役。


出番的にはご一緒する場面はなかったのですが 
ひと月前の10月からお稽古が始まり
たぬき界の新喜劇の皆様の 丁々発止の息の合ったアドリブが とても面白く、
毎回 違う台詞で 毎日 お稽古場で抱腹絶倒でした!!


初日が開いてからの楽屋も舞台も、とてもいい感じで 
歌舞伎界 新喜劇界のコラボレーション
そして 何といっても藤山直美さんと紫先生の やり取りのうまさ!!


これはいくらご説明しても ご覧にならない限り お分かり頂けないと思います。
そう云った意味で お芝居は一期一会!! 


ふとした 紫先生の 門之助さんへのアドリブが それ以降の恒例となったり。

(さすがに アドリブ初日は 舞台上のほぼすべての人間が吹き出しました・笑)


また、珍しく 大阪初演の 東京再演の舞台でもございました。
大阪で どんどん進化した舞台が 東京に持ち込まれましたので、
「笑い」の要素も 最初の一ヶ月で 沢山付け加えられておりました。



紫先生も亡くなられ 今また小島秀哉さんも お亡くなりになられた云う事は
このお芝居は、二度とこのメンバーでは出来ない訳です。

このメンバーで もう一度 あの舞台をやりたかったですね。



余談ですが、12月のこの公演の最中の夜 
病がだいぶ回復された猿翁旦那の バースディーパーティーに 
紫先生 藤山直美さんはじめ 弟子一同 お祝いをしておりました。

その場所に 初めて現中車さんが 顔を出された時 
すごく感動したのを 覚えております。 
紫先生なればこそできたこと。

その経緯があっての 今回の襲名公演。感慨深いものがございます。



そう云えば 藤山直美さんは なぜか 私に「役所の出納係」という
あだ名をつけて下さい(笑)ました。

そんなイメージだったのでしょうか?


和気あいあいとした 舞台でした。 



小島秀哉さんの思い出から 少しそれてしまいました。 
申し訳ございません
楽しい舞台を 共に過ごさせて頂きました。


謹んで ご冥福を お祈り申し上げます。