今日は主観を変えて 『ヤマトタケル』の物語を 書いて見たいと思います。



近代国家として 統率のとれた国つくりを目指し 
「田を耕し」 「米を作り」 それによって 土着の生活が可能となり 
その事によって 道具が発達して 鉄の需要も増え 
すぐれた刃物も 誕生してきます。



そして 国を豊かにして 土地を拡大 
色んな人々にも その幸せを 分かち与えてあげる。


それに共鳴できなければ・・・・。  はたして?



『ヤマトタケル』において自由奔放な国 熊襲。

新宮ができたお祝いに 熊襲兄弟はもとより 民衆の男女が、
みんな酒に酔い浮かれております。


そして お祝いに駆け付けた 「吉備の国」「蝦夷の相模の国」 
果てまた「琉球」からも使者として 踊り子たちが遣わされ 
喜びに溢れております。


一番 平和な時だったのでしょう。 


ここはここで 大和の国のやり方に共鳴できず 
昔からの生活を大事にしながら 独自に生活していたはずの人々。


そこへひとり 大和からの踊り子(ヤマトタケルの女装)が やって参ります。


このひとりの男の登場で 平和なはずであった熊襲の国が一転 修羅場と化し

挙句に熊襲兄弟が滅ぼされ 民衆たちも みんな大和へ服従されてしまいます。



蝦夷の国も 伊吹山の山神も平定して ヤマトタケルは傷つきながらも 
大和の国の大英雄!!


歴史からみると 物語はこうですが 違う観点からみると 
大和民族は やはり侵略者になってしまうのでしょうか?



私 別にむずかしい事を書くつもりはありません 


序幕のお芝居『小栗栖長兵衛』の幕あきで云っております 
私 茶屋の亭主の重助の台詞。


「どっちが 勝っても 負けてもいいから 
 
 早く戦騒ぎの収まってくれるのが なにより!!」

と  



熊襲の民衆もまたそうです。

主人をたちどころに失い「おのれ~!!」と云っておりますが 
あまりにも凄い力を見せつけられると 一転して 従う姿は 
どこか『小栗栖の長兵衛』の村人にも 通じるのかもしれませんね。



『小栗栖の長兵衛』も『ヤマトタケル』も時代に 翻弄される人々が
同じように出て参りますが、
 
昼の部ではその翻弄される小栗栖村の「茶屋の亭主重助」

夜の部では翻弄する立場でありながら 更に一癖ある「新大臣」



こんな二役も 世話物とスーパー歌舞伎で 面白く 関係しているなあ
と思っております。

ブログをしていなかったら 私がこの二役をしている事に
気がつかない人が もっともっといらっしゃるのではないかと
思っております。

少なくとも ここを読んで下さっている方は 分かって下さっていますよね?




今日の写真は 熊襲の国で 時代に翻弄される民衆のひとりを演じている 

私の親友の 瀧二朗さん

もう何度も登場いただいております。

隠れファンのとても多い方です(笑)


イメージ 1



熊襲館での小碓と熊襲兵士が戦う中  大壺にかくれ 
戦闘中に その壺が割れて 中から飛び出る民衆は
隠れた演技の 集大成 お見逃しなく!!


さて、戦闘中に 彼はいったい何をしていたのでしょうか?(笑)


こればっかりは 実際に見て下さいね。


その他 酒盛りの中の 飄々としたお芝居も 特筆もの 必見です!!


それぞれの時代に翻弄された人々。


ですが、実は この後も 生き残って行ったのは 

一見 時代の変化を上手く渡っていたように見えている「新大臣」ではなく、

「茶屋の亭主」や「瀧二朗さん演じる熊襲の民衆」だったのかもしれません。