初日の幕が開いて やっと1週間。

いつもの公演なら 「もう」1週間かあ~。が 
今月は「まだ」1週間しか経っておりません(笑)



襲名披露公演として 始まりました今月。 

今日までは、なんとか無事に その日の終演を迎えております。


もちろんまだ先は 長いのですが 演じる役者たちの気持ちと致しましては、


お稽古の期間は 何とか無事に 初日の幕が開くように・・・と。

そして初日が開けば なんとか3日!! 

3日が終われば なんとか1週間。

さらに10日 中日!! そしてさらに千秋楽まで 頑張れば・・・。と


自己啓発致しております。(笑)



普段の公演でも 当然 それは考えますが 今月はやはりどこか特別でございます。


1日1日 その日の最後の幕が閉まる事を これほど毎日祈る公演も 
そんなにはないと思います。





また楽屋では いつにない ちょっとした混乱が 生じております(笑) 


襲名とは「名が変わる」事

そうなんです、それぞれのお名前が・・・


猿翁旦那の事は 普通に今までどおりに「旦那」と呼びますのが 
一番しっくりきております。 


中車さんに対しましても 「香川さん」とは云わずに なんとか「中車さん」と 
抵抗が少なく 呼べるようになりました。


・・・が・・・

まだまだ 私はどうしても「猿之助さん」とは 呼びにくい状態が
つづいております。(笑)


慣れと云いますのは 困ったもの(笑)

さすがに 今はもう「亀ちゃん」とは 呼べませんが 
まだ「坊っちゃん」や「若旦那」の方が 呼びやすいですね(笑) 

ま これも 公演が進みますにつれて 自然に「猿之助さん」と呼べるようには
なって来ますでしょうが・・・(笑)


なんだか こそばい様な 不思議な感覚の 楽屋でございます。



こんな感じなのは 私だけなのかなあ?と思いまして、
色んなお弟子さんに聞いてみました。(笑)



猿之助さんのお弟子さんは 猿之助さんの事を「若旦那」で 統一しよう・・と

今までは「亀ちゃん」や「坊っちゃん」と呼んでいたのを 

すぐに「若旦那」とは 呼びにくそうですが(笑)



私たち猿翁一門は 猿之助さんを「四代目(よだいめ)」さん

猿翁旦那を「大旦那」 段四郎さんを「旦那」 

中車さんを「中(ちゅう)旦那」 團子さんを「坊っちゃん」

と 呼びわけようか みたいな感じに なっております。



実は、一部の弟子は つい最近まで 猿翁旦那の事を「若旦那」と
呼んでおりました。

私自身は 今年50回忌を迎えます 初代猿翁旦那も 先代段四郎旦那も
ご一緒した事は無かったのですが、

私が猿之助一門での芝居に 度々出るようになった時には、
初代猿三郎さん、段猿さん、寿猿さんらの 古参のお弟子さんが
「若旦那」と呼んでおりましたので 私たちも 自然に使っておりました。


いつしか 「旦那」と呼ぶようになってはおりましたが、
私も 未だに時々「若旦那」と 無意識に 使っているみたいです(笑)


ますます ややこしい(笑)


お客様からは 呼び方なんて どっちでもいいじゃん!! 
なんて思われるかもしれませんが・・・


これはこれで 結構 大変なのです(笑)


なんとなく 統一しておかないと、私たちの中でも「どの旦那?」に
なってしまう事も ありえますよね。

「旦那!」という呼びかけには 皆さん振り向いて下さるか・・・
もしくは どなたも 振り向いてくれないか・・・(笑)

そんな事も 起こってしまいそうです。
(まだ いっぱいいっぱいで そこまでの事は 起こっておりませんが)



ところで こんな事がございました。

衣装さんから聞いた話です。


衣装部屋でも 未だについ 「亀ちゃん」 と云ってしまい 
「・・・じゃなくて 猿之助旦那!!」 

猿翁旦那のことも つい 「猿之助旦那」 という感じで 若干混乱中。



衣裳さん同士で 

○「猿之助旦那(つい猿翁旦那の事をこう呼んでしまったそう)の衣裳が・・・」

●「猿之助旦那(4代目の事)ですね??」

○「そう 猿之助旦那(猿翁旦那)」

●「???(どう考えてもおかしい、話が食い違ってる??)」 

●「もう!!どっちの猿之助旦那?」


・・・と ほとんど笑い話ですよね(笑)


こんな小さな混乱が おそらくあちこちで 起こっております。





襲名披露公演も1週間が過ぎ 私たち 楽屋の人間も そろそろ呼び方に
慣れて行かなければ・・・。(笑)


初日まで 初日から数日の ただ必死に走り続けてきた期間が過ぎ 
段々と 冷静に色んな事を考え始める 毎日を送っております。