名神高速道路の京都南インターから 大阪方面に向かいますと
すぐに 天王山トンネルと云う トンネルがございます。

その天王山の麓が大山崎。 


サントリーの山崎工場のある事で有名で
関西に住んでおられる人ならば ここの地名もよくご存じだと思います。


「天王山トンネルを先頭に**キロの渋滞」なんてのは
関西地方では 本当によく聞かれますね。


大阪から京都に直接向かいますには この地を通るしか方法はございません

京阪電車、東海道新幹線、阪急電車、JR東海道本線、名神高速道路。

2キロほどの狭い所にすべての交通機関が集中していると云う
現在におきましても 交通の要所でございます。


ここが所謂 天王山の戦いの場。 

京都 本能寺で討たれた 主君 織田信長の弔い合戦の為に
中国攻めを行っていた 羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が 
全兵力を三日で この山崎まで引き返した 秀吉の大返し!!


その為に 主君を殺し謀反を起こした 明智光秀は兵力を 整える間もなく
秀吉にわずか 一日で敗れると云う 山崎の合戦。 


この山崎から 今の京都市内に入らずそのまま北東へ進みますと、
およそ4~5kmで 醍醐寺のある 醍醐へ出ます。


ここのあたりが 今月の演目の『小栗栖長兵衛』の舞台となります 小栗栖村。



現在でも小栗栖山口町ですとか 小栗栖森本町ですとか 
「小栗栖」と云う名の入った町も多く存在いたします。 


山崎の合戦で敗れた 明智光秀がここを通った際 土民の竹槍で刺され 
逃げ切れぬと知って 自害したのは有名な話ですが、 

そこからヒントを得て 岡本綺堂さんが初代猿翁さんの為に
書き下ろしたのが この『小栗栖長兵衛』


それを今回 九代目を襲名された 中車さんが熱演されておられます。


大酒呑みで乱暴者!! 小栗栖村の鼻つまみ者が 

明智光秀を討ったと云う事で 一躍英雄になり 

挙句の果てには 村の人々も大喝采すると云う 今にもありそうな物語。(笑)



私たち一門も、このお芝居に大勢 出演させて頂き 盛り上げております。


先日の茶屋の亭主 重助もその一人ですが 親にまで乱暴する長兵衛を
村人と共に よってかかって取り押さえ 
簀巻きにして川に放り込もうと致しますが・・・。(笑)


さてさて(笑)どうなります事やら・・・






今日の写真は私の女房 市川段之さんの 重助女房 おくろです。

イメージ 1



暴れまわる 長兵衛から お釜をかぶって逃げ回る姿は絶品。(笑)

イメージ 2


そして ***片手に 動き回る姿も絶品!!

これは 実際に舞台でご覧くださいませ。



この段之さん 裏の事に関しても普段から 四代目猿之助さんにとっては 
女房役で、なくてはならない人。


奇しくも 今月は 『ヤマトタケル』では竹三郎さんの奥さん、
『小栗栖長兵衛』では 私の女房、
裏では猿之助さんの 女房役。


全く違う役柄ですが、それぞれ見事に 仕えてくれております。



ペースメーカー 及びに ムードメーカーとして 
大変 貴重な存在に なって参りました。


私も 今月は同じ楽屋ではございませんが、2月の博多座の折には
二人部屋でございました。



昔からよく一緒に遊びました段之さん。

暫らく 同じ楽屋、いえ同じ芝居にも出演する事すら 少なかったのですが
これからは また 楽しい時間を過ごす事が多くなりそうです。


楽しみです。