昨日の竹三郎さんに続いて 今日のご紹介は かつてのスーパー歌舞伎に
無くてはならない人。 

また21世紀歌舞伎組の公演には 常にご一緒だった 坂東彌十郎さんです。

今回の襲名公演『ヤマトタケル』では 久々にご一緒して下さっております。

彌十郎さん 昔も猿之助一門のお芝居の中で 一門と同じ立場の若手で、
最実力者で いらっしゃいました。


現在の『ヤマトタケル』では考えられませんが 初演の当時は
原作者、梅原先生の脚本を全部 通しで上演すると 10時間以上はかかり
旦那曰く 泣く泣く色んな所 カットして上演いたしました。

そして 抜粋して今の『ヤマトタケル』が出来上がりました。


でもそのカットしたところが お芝居に膨らみを持たせていたのは事実。 

そこで、別にカットされた所を中心に つなぎ合わせて 
逆に本公演のところは話が分かる程度に大幅にカットして 
スピーディに 再構築されたのが 
1988年9月に 渋谷パルコ劇場で 上演された 右近さん主演
『伊吹山のヤマトタケル』


その時 尾張の国造 伊吹山の山神を演じておられたのが 彌十郎さん

そして 私が国造の妻と新大臣を 演じさせて頂いておりました。



当時は若手にチャンスを与え 役の経験をとの意味での 若手公演でしたが
今ではこの時のお役がみんな 本公演での本役に なっております。

また、彌十郎さんは色んなスーパー歌舞伎において 

長く演出助手を勤めておられ その手腕を買われ 
フランス パリにてのオペラ『コックドール』初演の演出の時にも 
猿之助旦那と同行して 右近さんとお二人 演出助手に携わっておられました。


その後 ナンシー パリ再演にも再度同行され 
1996年1月のニース再再演の折には
旦那は行かれず 彌十郎さんが演出代理を 勤められました。

その時に演出助手として 同行いたしましたのが 私 猿三郎です。(笑)

これも本当に懐かしい思い出です。

実は彌十郎さんも板橋在住で ご自宅もつい ご近所!!



最近では 歌舞伎座での『野田版 ねずみ小僧』や 平成中村座の舞台では
おもだかやのお芝居を離れても よくご一緒させて頂いております。


今回は 昔取った杵柄!! 
『ヤマトタケル』の 熊襲兄タケルと 伊吹山の山神を 勤めておられ 
お稽古場でも 懐かしい一面を見せられております。


竹三郎さんと云い 彌十郎さんと云い 過去の『ヤマトタケル』の出演者が
今回の舞台に 花を添えて下さるのは 私たち一門に とりまして
お芝居に幅が出来 非常に嬉しい事です。


今日の写真は その彌十郎さんのお稽古場での お茶目な一面です。(笑)

 
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あの頃のスーパー歌舞伎を御存じのお客様には きっと懐かしく
見て頂ける事と思います。

お楽しみに!