昨日は花祭。

云うまでもなくお釈迦様のお誕生日ですが、
灌仏会(かんぶつえ)とも云い お釈迦様が生まれたその日、
四季に咲く花が 季節に関わらず一斉に開花したと云うので 
この名前が付いたそうです。


もっとも花祭と云う名称は 明治の末あたりから一般化したと云うので
どこまでも推測の域を出ませんが・・・(笑)


お釈迦様の名前は 釈迦族の王子と云うことです。


大きな強い国 二つに挟まれた 小さな部族 釈迦族。


手塚治虫さんの漫画『ブッダ』にも登場いたしますが 幼名はシッダルタ。


釈迦族の王子であった事から 日本語で漢字で書きますと 
悉達太子(しったたいし)


このお釈迦様 仏教の創始者であった事は皆様 周知のごとく。

日本でもお馴染み深い名前ですが 歌舞伎のセリフにもよく登場いたします。




有名なところでは『源氏店』で与三郎がお富に云う

「死んだと思ったお富たあ、お釈迦様でも気がつくめい!!」ですとか


『勧進帳』では富樫との問答の折

「手には釈迦の金剛杖にて 大地を突いて踏み開き」

と あります。


また『鳴神』では鳴神上人が雲の絶間姫の色香に迷い 妻となれと強要する際、

「仏も元は凡夫にて 悉達太子のその昔 耶輸多羅(やしゅたら)女、

 という妻あって ・・・」というセリフがございます。



お釈迦様を尊敬しての登場ではなく 何でも知っているお釈迦様の裏をかく 
揶揄した言葉 たとえ話が多いようです。(笑)



また歌舞伎の台詞ではありませんが 「お釈迦になった!!」と 

云うような言葉を 聞かれた事はございませんか? 
 

「お釈迦になった」 いわゆる 財産や持ち物がなくなった時などによく使われます。


大火事で家が丸焼け=財産が「お釈迦になった!!」 

または 財産が「おジャンだ!!」 等々



「おジャン」は言うまでもなく 火事になった時に知らせる半鐘の音の比喩。

これは かけ言葉なのですが、



お釈迦様の生まれた日は 4月8日。


しがつようか=○○○○  


江戸っ子が 「ひ」 と云う発音が出来なくて 「し」


しがつよかった=火が強かった!!   

これが、火が強かった=4月8日。

4月8日=お釈迦様の生まれた日。



ですから 火事で丸焼けになった事が=お釈迦になった!! 

と云う話です。


これ うそのような本当のお話です(笑)
  


今年は 春の嵐、風が強い日が まだまだ 続きますが、
皆様、火の元には 十分お気を付け下さいね。

お釈迦になっては。。。元も子もありません。