先日 猿弥さんと裕喜さんの写真を ブログに掲載しましたところ
ある方から連絡を頂き 猿弥さんの応援団が福岡にて発足されたと伺いました。


猿弥さんに確認させて頂いたところ 

「私を応援して下さる方々で 作って下さっているので 
 よければこのブログで紹介してください。」

との事でしたので 紹介させて頂きます。


猿弥さんの応援団「みんなの猿弥」
拠点は福岡だそうですが 入会は無料 どなたでも!!との事でした(笑)

気になられる方は 覗いてみてください!!





お話は変わりますが 

昼の部『暫』には 普段の歌舞伎にはあまり登場しない 
特殊な役柄が登場いたします。


所謂 「腹出し」と呼ばれるお役ですが 成田五郎を初めてとして4人。

(大きい劇場では5人の時もございます。)

それぞれに名前があり 名乗りもあると云う 
幹部さんも演じられる大きいお役です。


このお役 「着肉」と云う 特殊な衣装を 衣装の下に着ております。


普通 着肉は衣装の中に着込みますので 普段のお役の時には見えません

例えば私 先月の『紅葉狩』の後ジテや、『獨道中五十三驛』の水右衛門、
また『ヤマトタケル』のヤイレポなど 結構たくさん 着ております。


しかし、この「腹出し」は裸の状態(を もじった)で、体にも筋隈が描いてあり 
肌の色も赤っ面のように 赤くなっております。


そして裃を着た状態でも 腹を出していると云う およそ考えられない扮装。(笑)

写真を見て頂ければ お分かりだと思いますが・・・(笑)


イメージ 1



モデルは今回の腹出しのお役の 坂東功一さん



これは個人的な感想ですが 江戸時代に裃を着ても 
お腹の出ていたお侍を どこかで見かけたのではないでしょうか?(笑)



そして それを当時 嫌がられていた首切り役人の風刺に『暫』の
首切り役人に照らし合わせて 腹出しをもじったのではないでしょうか?



この腹出し 十八番物の『象引』でも 同じような扮装で 主役の一人として
登場致しますが、荒事以外では あまり登場致しません  



そして 腹出しの筆頭?成田五郎のお役 
今回は市川男女蔵さんが演じておられます。



が・・・このお役。「成田五郎」


ちょっと 気になりませんか??

成田屋の「成田」 荒事の代表曽我の五郎の「五郎」
あまりにも 象徴的な 役名です。


しかも 同じように腹出しの 扮装をしておりますのに
後から 一人出て参ります。


これも 結構歌舞伎では 珍しい事。
(後から出てくる役は 違う扮装をしている事が多いです)



気になりましたので 新蔵さんに 聞いてみました。




このお役は 九代目市川團十郎さんが『暫』を演じた時に 
弟さんである八代目海老蔵さんを 上方から呼び返されました。


ところが『暫』の中にふさわしいお役がなく 

それではと 別に呼び出されて 花道から登場する腹出し 成田五郎を

新たに作られたのだそうです。


それ以前の腹出しは すでに舞台上に全員勢ぞろいしていたとの事でした。


新たな演出が 今度はそれが型となり その後は必ず成田五郎を 呼び出すと云う
演出に変わったのです。 


ご存知でしたか??



今日は腹出しのお話でした。 

明日はこの腹出しの鬘に付いて ご説明いたします。