今日の写真は4人目の侍女 喜昇さんです。


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以前のおもだかやの舞踊勉強会「翔の会」では 関係者からは
「2年目 3年目の進歩は 目を見張るものがある!!」と
云わしめておりました。

それが今では 博多座の舞台で堂々と踊っているのですから・・・。

やはり なにかがあったのでしょうね。



唯、今月の博多座公演は、一門のお芝居ですから、亀治郎さん 右近さん以下、
大忙しの出番で、舞台を走りまわっておられます。

が、そのお弟子さんたちも また、師匠に劣らず 大忙しです。(笑)



喜昇さんは『天竺徳兵衛』では 今川家の腰元、
『西遊記』では 西梁国の侍女 実は蜘蛛の変化。  
そして『鬼揃紅葉狩』では、侍女のその名も「もみじ」。


自分の出番の合間を縫っては 師匠の右近さんのお手伝いや 拵えの用意など、
休む間もなく 働いております。


これは喜昇さんだけに限らず おもだかや一門は 
出番の他に 舞台の色んな黒衣の用事なども たくさんあり 
昨日、一昨日の笑野さん 猿紫さんたちも、
そういった仕事は、云うまでもありません


お弟子さんのいない名題下さんたちは 
自分たちが大きい役を やらせて頂く時は ありがたい事に 
一門の他の人たちが みんなお手伝いをして下さいます。

(正直に申しまして これはおもだかや一門だけかも知れません)


大きい役を勤めさせて頂く時などは お化粧替えの用意 拵え 等 
衣裳を着た後に 自分で用意が出来ません 


また 後の変化に替わる時などは お化粧道具を運んだり
拵え場を作ったりは 扮装したままでは出来ないのです。


普段 自分たちがお師匠さんにしている事を 

他のお弟子さんたちが協力して
大きな役をやった事のない人たちを 助けてくれます。


ここがおもだかや一門の 本当にいいところです。



『鬼揃紅葉狩』では 門之助さん扮する 平維茂が眠りに落ちた後
本性を現した 亀治郎さん以下 鬼女の面々が下手に入りますと 
舞台裏は大戦争です。


七人の鬼女の化粧替え。  


亀治郎さんはそのまま 次の出の舞台下まで走って行かれ 
そこで拵えをされます。 そのお弟子さん数人 衣裳さん 床山さん 


そして舞台裏には、私たちが 鬼女に替わる六人。


それにひとりひとりに お手伝いしてくれる一門の人 プラス六~七人

それから 侍女のかつらを脱がせてくれる 女形の床山さん 二~三人 

立ち役(鬼の毛をかぶらせて下さる)床山さん二~三人

侍女の衣裳を脱がせて また鬼の衣裳を着せてくれる衣裳さんが 三~四人 



笑也さん扮する八百媛が踊っている最中に、
舞台裏では これだけの人数が 短い時間に大勢 行動しております。


そしてその後 花道では 同じく 門之助さん 
猿四郎さん 段一郎さんも 拵え替えがあり


そこにも門之助さんのお弟子さん 他
お手伝いの一門の人たち 衣裳さん 床山さんが準備をしております。


今日の写真の喜昇さんも その『鬼揃紅葉狩』の前に

『西遊記』でも侍女から 蜘蛛の変化となる早拵えをしており 

出番終了後そのお化粧を落として 

今度は再び紅葉狩の侍女となり その後また鬼女に変身と 

その間 私の侍女の出番より 数倍 大忙しいなのです。



でも 舞台の上ではそんな事を微塵にも感じさせない様子は 

さすがみんな若いだけあるなあ と 私も感心している次第でございます。



まあ、ここまで書いてまいりましたが、お客様は お芝居をご覧の最中は 
別に舞台裏を想像する必要はございません(笑)

どうか舞台だけを お楽しみ頂きたいと思います(笑)