今日は 金曜日ですので いつもの2時開演とは違いまして、
6時半開演です。

今、お夕飯が 終わったところです(笑)


さすがに この時間になりますと、あまりにも 空腹で・・・
ついつい 勢いよく飲んだり食べたり してしまいますね。





『妹背山婦女庭訓』 

本編の解説は ちょいと間を頂きまして、

今日は昨日の 官女のお化粧の解説です。(笑)


いじめの官女は本来 立役から出る事が多いです。

今回のメンバーでも 辛うじて「女形」として 舞台に立ちますのは
私と 坂東玉雪さんくらいです。

後の方は やはり 立役専門にされている方々です。


しかし私は 平成10年の歌舞伎座におきましては、

橘姫と求女を迎え入れます 通称 「姫戻りの官女」もさせて頂いております。


この時のお三輪は中村雀右衛門さん 求女が菊五郎さんで 橘姫は福助さんでした。



以前の歌舞伎座の立役の名題部屋302号室で 他の人は全部 いじめの官女。

私だけが姫戻りの官女のお化粧をしておりました。(笑) 

女形さんの名題部屋は隣の303号室。



今月 御一緒させて頂いている 尾上松太郎さん(大先輩です)に当時、

「なんでここで 姫戻りの官女の化粧をしているんだよ!! 

 隣へ行けよ!!(笑)」と そっけないおっしゃり様(笑)


その松太郎さんと今回 いじめの官女の芯を2人でさせて頂いております。

これも時代の流れでしょうかねえ?


本来この二つの官女の 両方演じている方は 逆に少ないのではないでしょうか?


昨日の官女の写真をもう一度 見て頂けると分かると思いますが、

本来の女形のように 鬢付けで眉を潰して 消したりせずに 羽二重を

使用しております。



まゆ毛のあたりまで 羽二重で眉を隠し その上に天神眉を描いております。


羽二重を使っている事と もう一つ、本来の眉のあるべき位置とは違う位置に
眉を描いているのです。

ある方は 上の方に描いたり、かなり 下の方に描いたり、
額を広く見せるように わざと鬘を照らし気味(生え際を後退させる事)にしたり。

それぞれ個人個人で工夫をしております。


ちなみに私は 眉をつり気味に描いております。


これはすべて「女形ですが 本来の女形と違い 荒々しい女形ですよ」との意。





お芝居を見て下さるとお分かりだと思いますが 女形とはいえ 通常の男で
お芝居を致しております。


それに合わせて お化粧をする上での羽二重も あえて違和感が出るように 

わざと羽二重で強く 装っております。



こう云った強めの女形 わりと他のお芝居でも 出て参りますので、

注意してご覧になると 面白いかと存じます。


官女、私たち「いじめの官女」が出まして、その後「姫戻りの官女」が出まして
その後 もう一度「いじめの官女」が出ております。


是非、比較して見てください。


・・・実は もう一か所「いじめの官女」と「姫戻りの官女」では
あきらかに違っているところがございます。

これ、お気づきになられました方 いらっしゃいますか??


かなりの難問だと思います(笑)