今日、ル・テアトル銀座 正月公演の 初日通りの舞台稽古がございまして、
無事に 今年のすべての お仕事を終えさせて頂きました。


所謂 一般の方からすれば 仕事納めです。

でも 12月がお休みであった私 ここ4日間だけでの お稽古で仕事納めとは
他の方から比べれば はなはだ申し上げにくいのですが・・。(笑)

新しく始まる2012年に 気持ちを向けて行きたいと思っております。



本日、お稽古終了の後に 楽屋での御挨拶の時に 玉三郎さんから 
私に一つの注意を頂きました。


頂きまして・・・ 私 ”はっ”と致しました。




実は10年前の時にも 同じ様な事を云われた・・と

(先のブログでも書かせて頂きました 玉三郎さんでのこの演目)


もちろん玉三郎さんは 10年前の私への指摘の事を 覚えておられるはずも無く  

自分でも気をつけているつもりでは あったはずなのですが・・・


すいません 前置きが 長くなってしまいました。



10年を経て 今 同じく『妹背山婦女庭訓』の「三笠山御殿」の場で、
いじめの官女の役をさせて頂いております。


10年前の歌舞伎座での舞台。 


私にとりまして 色々な事が重なり、正直 精神的にも一番辛い時でございました。



「今、個人のこの苦しい気持ちで 歌舞伎座の舞台に立っていていいのだろうか?」

「私は 10年後には 一体どうなっているだろうか?」

「いや、もしかして 10年後には 私は 生きていないかもしれない?」

舞台に立ちながら 舞台の演技とは違う 自分が大きく そこにいて
そういったアンバランスな いじめの官女の日々を過ごしておりました。(涙)



今 色んな事を乗り越え その10年がたち、またこうして 
12月に同じ舞台の同じ演目のお稽古に立っておりまして 
この10年を改めて 振り返り、ここまで こうして来れました事を
ありがたく思いました。


実は、あの時からは 考えられない「今」を 私は生きております。


時代は変わりました。

私も10歳年をとりました。



あの時から 違った「今」を 現在 生きられております事、
本当は10年前の私には 想像もできなかった事なのでございます。


お芝居の中で 10年前の演技の在り方を 玉三郎さんに 
時空を超えて 同じ注意をされましたのも また事実。

生活 芝居 夢の空間 現実 すべてをこの10年 一瞬に飛び越えて 
今日の玉三郎さんの一言に 気も引きしまった 2011年の稽古納めでした。


また、新しい1年が始まります。

それを楽しみに、明日は 来年に向けてお休みを 満喫したいと思います。
(おせち作りにも 挑戦です!)

今年1年 皆さま 本当にありがとうございました。