今日は 河内の旅の二日目。

お染、久松、この二人の恋人たち。



私が今年の2月ル・テアトル銀座で勤めさせて頂いたお役。

市川亀治郎さんの「お染の七役」の中で 亀治郎さん扮する中のひと役、
小糸に横恋慕する 鈴木弥忠太。

その他にもうひと役 亀治郎さんの久松の吹替えも 勤めさせて頂きました。



久松はかっての 関西での勉強会 若鮎の会でも勤めさせて頂きましたし、

師猿之助旦那の「お染の七役」では 久松 お染 (母貞昌 お六も) 

両方の吹替えも勤めさせて頂きました。(笑)

はっきりとした 記録はあたっておりませんが、
吹替えとして お染と久松を 両方させて頂きましたのは、
それほど 例がないのではないでしょうか?(笑)

吹替え版 お染の四役制覇。
(あとの三役には 吹替えは ございませんので、完璧です・笑)



またその昔 京都南座での「素人顔見世」の折 

「野崎村」を担当させて頂いた時は 京都の名士名連を
指導させて頂いた事もあり

それだけ野崎に関するの思い出は深いです。(笑)


ですが 昨日も申し上げたように 関連する場所に訪れた事がございません


例によって 場所や名所は知っております。(笑)


そんな訳で 昨日 白鳥陵を訪ねた後は ちょいとバイクの足をのばし

お染と久松が逢引きをする 理由に使われた野崎観音へ行ってみました。

本来は野崎参りの土手も見学したかったのですが 

屋形船どころか 寝屋川の町の車の交通量の多い事!!

駕籠でゆったり ゆられる風情もありません

お染久松もビックリでしょうね。(笑)


てな訳で今日の写真は 初めて訪れた野崎観音。
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慈眼寺とありますのは、2月の幕開きの 「め」の絵馬を彷彿とさせます。


ここに お染久松の碑がございます。

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ですが、まず着いてから難関が・・・
駐輪場から寺まで 見上げますと 延々の階段。

イメージ 3


写真は 帰りに降りているところですが。
(こっちの写真の方が 急階段だとわかって下さるかなと)

この階段も 二人にとっては 楽しいものだったのでしょうか?

私個人としては「え~!!!何この階段~涙」だったのですが。




南河内には もう一か所 隠れた?お染久松の縁の地があります。

実は 昨日の河内の旅、コースとしては、一番近いこの「野中寺」が
一番最初の 訪問地でございました。

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このお寺は 聖徳太子の創建と伝えられる 古い歴史を持つ
お寺です。


境内には 伽藍配置跡など、見どころは 結構あるのですが、
歌舞伎的には これでしょう。

ここには お染と久松を祀った墓があるのです。

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野崎からは およそ20キロ。

一見、何の縁もゆかりもなさそうなこの地に 一体なぜ??
と思ったのですが、 実は ここは お染の父親の菩提寺とか。


墓碑には「大坂東堀天王寺屋権右衛門」とあります。
(あるそうです。かなり風化しておりまして 写真には撮りましたが
 ちょっと 写真を載せても判別できないかと・・・)

油屋のお染さん、実際の屋号は「天王寺屋」だったのですね。



お染と久松が葬られた お寺が弥忠太(やちゅうだ)ならず
野中寺(やちゅうじ)と云うのは こじつけでしょうか?(笑)


西洋では ロミオとジュリエット 日本ではお染久松でしょうか?

そう云えば、土蔵の場面は バルコニーの場面を彷彿とするような
しないような・・・(すみません・笑)


洋の東西にかかわらず 昔から若い二人の 一途な突っ走った思いは 
ハッピーエンドには ならないですね。 



羽曳野市の野中寺から 大東市の野崎観音まで。
お染久松を追いかけての旅でした。

車があれば それほどの 距離ではございませんので
皆様も 一度いかがでしょうか?

今回紹介いたしました以外にも お染久松の縁の地は、
まだまだあると思います。

お芝居の地を 実際に訪ねてみますのも 面白いものです。

バイクで大阪に来て 良かった~(笑)