皆様 台風の影響はなかったでしょうか?

逆に東京は暑い日を免れて 久しぶりに 涼しい夜を迎えております。

皆様の所に 被害のない事を祈っております。



今日のブログは 私が今月 夜の部で勤めさせて頂いている
『奴』(やっこ)について 少し書かせて頂きます。


奴とは所謂 中間(ちゅうげん) 中間とは
主家に仕える武士の 周りのお世話をする お役目的 下働き。

ご主人が お城に上がるときに 玄関までお伴をして 

草履を預かったり 槍や 持ち物を預かったり 
またお城から 持って帰るものを 替わりに持ったりして 
御屋敷までお伴をする 人たちの事です。


ですから お役目の外の事はお手伝いいたしますが 屋敷に帰られた後の事は
あまり 関係がありません

(蛇足ですが この間に 屋敷内の事と 外のある程度の事 
 中間(ちゅうげん)の上役的な事する人たちが 若党と呼ばれます。
 若党は 武士の身分を持っているそうです)


この人たちの 御給金はそのお家の主人から支払われ 
当然 禄高の低い武士は 常時雇う事ができず 
必要な時だけ アルバイト的に雇う場合もございます。



そのアルバイト的な あっちへ行ったり こっちへ行ったりする 
中間の事を渡り中間と申します。 


大きくは参勤交代の大名行列の時などに その大名がこれだけ 
家来と中間が いるぞ的な時に雇う中間の事を云いますが 

例えば 江戸を出るとき(または逆に 自国から出て)に雇い 
(つまりは体裁を整えて)

その後に解雇して 道中は質素に過ごし
(少しでも宿泊や食事のかかりは 減らしたいものですから)  
人目に付くところだけ 行列の人数を増やして 
ご威光だけを見せたと云う なんとも 苦肉の策。(笑)

その時に 使われる日雇い中間も 使わざる得なかった  


そんな大名は多かったみたいです。


不思議な習慣ではございますが またそこに 雇用関係ができ、
それなりに 需要と供給があったのだったら
それもまた、時代の必然だったのでしょうか??


私演じる色内や猿四郎さんの早平は もっと密接な関係の
奴(中間)だったのでしょうね。

臨時雇い、日雇いの 渡り中間とは違い、
主人のために 必死に 一巻を やり取りしております。

時代小説にも出て参ります 中間。

実際は 今月の私たちの様な格好はしてなかったでしょうね。

もっと質素だったと思います。

中間がみな、あんな格好していたとしましたら、
きっと 雇い主の方も大変だったでしょう・・・


明日は歌舞伎の中間の事をもう少し詳しくお話します。
(今日は そこまで たどりつきませんでした・笑)