『女殺油地獄』 
殺し場が終わり 賑やかな新町の場面に変わります。

ここに可愛い禿(かむろ)が登場いたします。

錦吾さん扮するところの 与兵衛を探し回っているおじさんを
言葉で、もてあそび 去って参ります。


この禿の役に扮しているのは 12月もご紹介いたしました 錦成くん

イメージ 1




なんともかわいい禿役ですが 

この禿(かむろ)なぜ「はげ」と書いて「かむろ」と呼ぶのでしょう。
(今月、楽屋で話題になりましたので、取り上げてみます)




元々の「禿 かむろ、かぶろ」の髪の形は 
両頬あたりで まっすぐに切られたものであったそうです。 

この髪形、現代では「おかっぱ」頭と申しますね。
某国民的アニメ(笑)の わかめちゃん?

もっと今風(笑)に云いますと ボブでしょうか?



もっとも、時代が下りますと、かむろの髪形も
結いあげたものになって行きますが。

芝居で云いますと、時代考証的には ちょっと違うかもですが、
『天守物語』に この「かむろ」の髪形が出て参ります。



また、もっと時代を遡らせますと、
平安時代末期、平家全盛期には 情報をえるために、
「かみをかむろ」にした 童を京中に放ったとか。

これを「禿」「禿童」(かむろ、あるいは かぶろ)と
云ったそうです。


はっきりとした 語源は 確認できなかったのですが、
調べた限りでは、「禿」という字は 元々は「かむろ」と
読む(いまのかむろの意味をさす)のではないでしょうか?


この髪形が、空想の生き物である 河童と似ていることのつながりで
(空想の生き物に対して、似てると云うのも変なのですが)
現在の「禿」という漢字の意味が(お皿の部分から)
出て来たのでは ないのでは?と思いました。


いつもながら あやふやなところは お許しください。
(もう少し調べまして 新しい発見がございましたら、
 また 書かせて頂こうかと思います)



今日の写真は  その錦成くんの禿(かむろ)でした。


立役 女形と両方を 只今勉強中でして 
中学校より そのまま楽屋入りをして かむろに扮しております。


今後ともご声援を・・・