毎週日曜日に『蒼穹の昴』と云う 番組がテレビで放映されております。

昨日のブログでも少し触れましたが、この番組、
毎週録画しておりまして、現在少し遅れながら見ております。
先ほど、4話までを見終わりました。
(断片的には先週の5話までは見ておりますが・・・)


今日は6話がこれから放映されるところでしょうか。
明日には 追いつくと思います。


ご存じの方も多いと思いますが 原作は浅田次郎さん 

主演は田中裕子さん そして、その役名は「西太后」


この「西太后」は藤間紫先生が 晩年ライフワークとして 
何回も舞台で上演された演目です。


私も何回か 出させて頂きました。
猿之助旦那が病気で 舞台途中降板されたのも
博多座での『西太后』でした。


その後も 中日劇場などの再演が決まっていたので 
猿之助旦那休演で 上演された『西太后』  

この舞台が猿十郎の最後の舞台となりました。 


私は、初演は残念ながら出演しておりませんが、
後年の再演か再再演にて 初めて出演致しました。

平成9年1月の新橋演舞場です。

この折は「最張」村井国夫さん演じます恭親王の息子役でした。
(その後にこの役は 登場しなくなりました) 


そして、2003年の11月。博多座での公演では、
安徳海と袁世凱の二役をさせて頂きました。



因縁、浅からずの『西太后』 

私も感慨深くこのドラマを見せてもらっています。



舞台の『西太后』は 西太后の夫であります
「感豊帝」から息子の「同治帝」そして甥の「光緒帝」にいたる
時代のお話でしたが、

現在私の見ました「蒼穹の昴」は すでに「光緒帝」が
即位して10年以上たった時点から お話が始まっております。

4話までですが、ある程度の回想場面等で 遡っておりますものの
舞台の『西太后』に比べますと、時代が 先になります。

私のやらせて頂きました安徳海も出て参りますが・・・


あはは・・・何と申しますか・・・(苦笑)

舞台『西太后』の安徳海の最期を思いますと、
こっちの安徳海の方が 幸せなんでしょうか。


袁世凱はまだ出て参りませんが ドキドキしております。



自分が演じた役が、画面上で活躍している。
なんと嬉しいことでしょうか。

どこか、親近感を持ってみてしまいます、このドラマ。

この当時の、会見の折の作法なども 教えて頂いた事が 
ドラマでも忠実に再現されております。 


実は先月 楽屋で猿四郎さんと このドラマの話などをしていると
他の人も いろんな人が見ておられました。

が、どうしても、複雑な歴史と人物名。

ドラマの話は合うのですが 複雑な役名などが
わからずちょっとした名前が 出てこないのです。 



ですが その辺は私たちは 当事者ですから(笑)
(当事者と云うのも変なのですが、当事者なのです)

猿四郎さんなんて 「栄禄」なんですから・・・


役の説明をすると
「さすがに 演目に出ているだけあって よく知ってるわねえ。
私たちは誰が誰だか 全く分からないわ。」と ・・・・(笑)



ひとつの時代に生きた 支配者『西太后』 

その田中裕子さんのドラマの中で 根底に彷彿させる 紫先生。

また 猿十郎の姿。


先生の舞台上での圧倒的なカリスマ性。
そして、テレビでの田中裕子さんのどこか人間的な西太后。

そのどちらもが 「西太后」 であったのかなと、
妙に納得させられてしまう「西太后」の姿でございます。


そして、そのどこかに、私も生きている様な気がしてしまう 
ある意味、変な感覚。

このドラマは私のいろんな思いを 
呼び起こしてくれるドラマです。