皆さま 毎日暑っついですね~!!!  
なんですか~? この暑さは・・・・(笑)

この暑さを吹き飛ばすためには やはり鰻!!

今日は土用の丑の日。

私もご多分にもれず 今夜はうなぎを 美味しく頂きました。(笑)



でも 個人的な見解。 私、大阪生まれの大阪育ちで 大阪の鰻も 何回も食べましたが、
鰻は 東京(江戸)の方が 美味しいかなあ なあんて 最近 不届きにも思うように
東京在住が長くなりました。(トホホホ。)


ま それはさておき、おかげさまで、松竹座公演もあと 1日となりました。
 
今回は、私にとって『竜馬がゆく』がメインのような出番でしたが
『双蝶々曲輪日記 米屋の場面』も 楽しい場面ではありました。(笑)

これは大阪の芝居。 


放駒長吉(翫雀さん)の喧嘩っ早さ 乱暴さを戒めるために 
姉のおせき(吉弥さん)に頼まれて 親父様の同行(どうぎょう)として 登場する
5人組のひとり 吾助役でした。 

うそのお芝居で、うちがえ(財布)を盗まれて 「でんどでよ!! でんどでよ!!。」と
声を荒らげる 町人のひとりですが、 このでんど!!


出る所に出よ!! との意、 

お天道さまの 天道を(でんど)との、大阪なまりなのだと思います。 


この同行と云うのは 所謂 お遍路 たとえば四国八十八か所めぐりなどに 
何人かで加わり 修行の一環として 巡礼に歩く人の 同行者と云う意味です。


講中と云う 云い方を致しますが 今でもバスなどで行く ツアーがありますね。

昔は 地域の横のつながりが強く 時代によっては 五人組と云う制度などもあり
そのうちの一人が 罪を犯すと 何もしていない後の四人も罰せられると云う
掟もございました。


今では希薄になった 長屋や 隣近所の付き合いの 典型的なものでしょうね。

極論ですが 現在でも、もしこの制度があれば 孤独死や家庭内暴力
児童虐待などと云う 現代病も少なくなるのでは ないかと思いますが・・・・

それはそれでまた 違う問題が浮き上がって来るのでしょうね? 

なんか 難しい話になってしまいました。 すいません 



長吉は 結果(私たちの戒めによりでしょうか??)的には悪人とは
なりませんでしたので、まあ、「やんちゃ」程度でおさまったのでしょうが、
お芝居の中には 本当に 大悪人が何人も登場いたします。



歌舞伎のお芝居は 勧善懲悪が基本となっており 悪人が功を奏して 
最後まで生き延びると云うお話は ほとんどございません

ですが その大悪人こそが 物語の主役である事も結構あるのです(笑)



座頭が敵役を演じている場合。 

幕が閉まる時に座頭が死んでいると 絵になりませんのでよく大詰め幕切れに
「まず こんにちは これぎり~。」と  お客様にご挨拶で終わるとか、 
「まずそれまでは さらば さらば~ 。」 などと云って 上下手 大入りに叶う と
刀で斬り 緋毛氈の三段にあがり  打ち上げの見得を切って 
幕にするとか・・ 工夫がされております。


でも、これはすべてが 「この悪人は死んだのですよ」 とか
 
「罪に服したのです」と云う 意味なのです。 



『起承転結』(きしょうてんけつ)

映画にしろ マンガにしろ 歌舞伎にしろ 脚本、お話の基本となる 書き方ですが 
江戸時代などは特に こう云った勧善懲悪の規則が 大変厳しく 
悪人が滅びると云う作品でないと 上演できませんでした。

必ず 胸がス~ッとする 終わり方が 歌舞伎の面白さなのかも知れませんね。


ですから、斬られた~と思った主役が 「ちょん」という柝と共に
突然起き上がり(生き返り??) かしこまって挨拶をしても
びっくりしないでくださいね。


難しい事は考えずに これこそが 歌舞伎の醍醐味!!
と 逆手にとって 楽しんでください。