今月の豆知識も 6回目ですか? 

別にそんなに続けるつもりもなかったのですが 
結構 好評なもので・・・(笑)

毎回、こんなので いいのかなと思いながらも 書いております。





今日は今月の舞台から 朝の演目 『寺子屋』について少し。




ご存じ、この演目は『仮名手本忠臣蔵』『義経千本桜』と並んで
歌舞伎 丸本時代物三大名作のひとつで 
『菅原伝授手習鑑』の四段目として有名です。


作者は 二代目竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作。


先の『仮名手本忠臣蔵』も『義経千本桜』もこの三人の作品です。





それにしてもこの三人、 歌舞伎に燦然と輝く名作を
これだけ残したのですから 260年前の人とは云え すごいですね。




これからも続けられて行くわけですから 
この後 何年上演されることでしょう?




上方での初演は

人形浄瑠璃: 延享三年八月(1746年9月)、大坂・竹本座

歌舞伎: 延享三年九月(1746年10月)、京都・中村座



江戸での初演は

人形浄瑠璃: 延享四年二月(1747年3月)、堺町・肥前座

歌舞伎: 延享四年五月(1747年6月)、堺町・中村座



初演は大当たりで、一年以内に上方と江戸の双方で
人形浄瑠璃と歌舞伎の両方が初演されるという、
当時としては驚異的な記録となったそうで、
江戸中村座では8ヵ月にわたる長期興行となったそうです。

(以上 ウィキペディアを参考にさせて頂きました)



人形浄瑠璃の初演の翌月には歌舞伎が初演され、
半年後には 江戸に持ち込まれましたが、
その江戸でも 人形浄瑠璃のほうが先に上演されております。





この時代背景は平安時代ですが 
書かれた江戸時代に大坂で 三つ子の誕生と云う 
当時としては、珍しい現象をお芝居に取り入れ 

舎人(とねり 天皇や皇族の護衛と雑役を勤めた下級官人。)として 
敵味方に分かれる物語を 作りました。

松王丸(長男) 藤原時平方  

梅王丸(次男)桜丸(三男) 菅丞相方(モデル 菅原道真)

などが活躍しております。


ちなみに 佐太村は現在のどこでしょう?


大阪守口市のあたりとのこと。

佐太神社と云うのがあるそうなのですが、
残念ながら 私は行った事がございません。

京阪電車で何度も近くは通っているのでしょうが・・・

いつか行きたいものです。




ここで 豆知識  


長男、松王丸は 時代の流れで父や弟たちが菅丞相側に付いたのとは違い、
時平方に付くのですが 
寺子屋の後半の段で初めて その心底を語ります。 



寺子屋の段で わが子を身替りに立て 
初めて時平を裏切ったように見えますが 
実ははなから 気持ちは管丞相に向いておりました。


この前の件 車引きの段で 梅王丸 桜丸が時平の御所車を壊す時 
時平の御所車を守るような動きをしながら 
実は 松王丸も苦悩しながら 抑えるような手で 
一緒に御所車を壊す心根が、腹の極意とされております。


ここで三人 初めて一緒に 一つの行動を取るのです。 




これは 車引きの段 松王丸の俳優さんを
今後 よくご覧になっていてください。




そして雑学 この当時 江戸時代の長男、次男、三男の順位は 
最後にお母さんの、おなかの中から出てきた子を 長男としておりました。


これは一番長く 母のおなかの中にいたと云うことらしいのですが、
このしきたりが 1874年(明治7年)12月13日 太政官指令と云う事で
現在のように、先に生まれた順に 長男 次男 三男と云う事になったそうです。


現在の法律で行くと 桜丸が長男 梅王丸が次男 松王丸が三男となると 
この物語 どう云う事になるのでしょうね?(笑)