一昨日『板橋 加賀』のブログで 
「皇女和宮が中山道を 江戸へ上るとき」という 
文章を書きましたが、 


一門の喜太郎さんが 読んでてくれて 

当時は京都が都ですから 江戸へは「下る」ではないでしょうか?

と ご指摘をいただきました。 (笑)



おっしゃる通り 

この時代はまだ 江戸へ下るが正解ですので 
一昨日のブログのこの個所 謹んで訂正させて頂きました。




自分でも何気なく文章を書き 
現代的な観念から 東京へは上るだと 
迂闊にも思っていたのでしょうね。 

歌舞伎役者としての仕事をしていながら、
本当に恥ずかしくなってしまいます。申し訳ありませんでした。 


でも一門の仲間も このブログを見てくれているんだ
と云う事は うれしいことです。

この後も 間違いはどんどん 指摘してもらいたいと思います。



喜太郎さん 本当にありがとうね。

今後も ブログ 読んでください!




仲間のことが出ましたので 今日は仲間のお話を・・・(笑)


歌舞伎役者はみんな 男性ですから、もちろん女性はおりません

女性の役は、みな男性が演じている事は 皆様周知の事実です。


ですから・・・ 


女方が着物を着て舞台に立つのは当たり前の事ですが 
女形が 一度は着てみたいと 思っていても
なかなか着る事の出来ない衣装もございます。 
(ある意味 女性でも着たことのない方も多いかも・・・・?  笑)




それはやはり 花嫁衣装です。 



お芝居の中でも それほど多くは出て参りません



そして 歌舞伎での花嫁衣装と云えばやはり 
白無垢に綿帽子の姿が多いです。



現代的な角かくしに 色打ち掛けの花嫁衣装と云うのは
あまり登場いたしません 



『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場』の小浪は
その代表的なものでしょうね。

『当世流小栗判官』の小栗判官に一目ぼれし、祝言をしようとする
「お駒」もすぐに思い出されます


その他は 『鷺娘』の 前半 
でもこれは後で引き抜き ぶっかえりますから
純然な花嫁衣装ではありませんね。





今回 このあまり着る事の出来ない花嫁衣装を着ているのが
笑野さんです。

『四谷怪談忠臣蔵』で民谷伊右衛門に一目ぼれして 
嫁いで来ながら お岩さんの亡霊に見られ 
伊右衛門に首を斬られてしまう 哀れな お梅を演じております。 

今日の写真は その笑野さんのお梅の 花嫁衣装です。

 
イメージ 1



と書きましたところ・・・


私は 舞台で 花嫁衣装を着た事があるのでしょうか(笑)


最近の舞台しかご覧になってないお客様には想像もつかない?

いやいや、若いころも、それほど「若い娘役」はしてません。
残念ながらと 申しますか 御想像通りと申しますか・・・(涙)


でも、、実は実は それっぽい役は やった事があるのです!


先にも出ました『当世流小栗判官』

猿之助旦那が小栗判官と 娘お駒の早替わり。
お駒の母 お槇が 澤村宗十郎さん。


早替わりですので・・・


どうしても 私出番(笑) がございます(爆笑)


ではないのですが、お駒が首を切られた後・・・・

飛んだ首の 吹き替えを 私が勤めた事がございました。
首を切られた お駒の吹き替え・・・

すでに無いはずの体を 花嫁の白無垢の打掛で隠し・・・
「お駒」を 演じておりました。


今は昔・・・


死んでしか(しかも 吹替えで・涙)花嫁衣装を纏えなかった
私の思い出でございます。



ああ・・・笑野さんの話から それてしまいました。

いま、花嫁衣装を着る事が出来る彼を 羨ましく(と云うのは変ですが)
「女形のあこがれだな~」と思いながら 見ております。



そんな笑野さん。


7月に地元岡谷の会館で 自主公演を開催いたします。

第二回 市川笑野舞踊会
7月19日(月・祝)12時~   16時~
カノラホール(岡谷市文化会館)大ホール

での公演です。


イメージ 2



皆様ご多忙中でもございましょうが 
是非 万障繰り合わせてご来場頂きますよう
私からもお願い申し上げます。