今月の私の 勤めさせて頂いている三役。


近江の小藤太  大和坊  川上右門。  


先日 写真にて扮装を見て頂きました。 


近江の小藤太は 浅葱裏地 朱色のフキの黒紋付に 泥柿色の裃。 



大和坊は 錦の着付けに大口袴 水衣に鈴掛け。  



川上右門は 麻裃。





三役とも 気が引き締まる衣装です。 




三つに共通するものが『袴』ですが 


近江の小藤太は「高股立ち(たかももだち)」と云う 特殊な着方をしております。 


一見すると ちょうちんブルマ(もうないですか?この表現・・・)
のような あれです。お分かりになられますでしょうか??



女性のスカートの様な着付けの仕方ですが 歌舞伎には形物として

結構登場しております。



『伊達の十役』の 問註所での仁木弾正と戦う諸士たちもこの姿に鉢巻、襷です。



また『俊寛』の 丹左衛門や 瀬尾太郎 供侍。 等々 


すべてこの 高股立ち になっております。




そして先日 紹介いたしました 大和坊の 大口袴。





この二つの特殊な袴の 基本となるのが 川上右門の麻裃。 

すべては ここから 派生したものです。





なんだか時代の流れを如実に感じる 今回の三役でございます。

と云うよりも 袴の見本市でしょうか?(笑)





そして また 昨年末 歌舞伎座での『鼠小僧』でも お白州で 

大岡越前守のそばにいた麻裃の役人をしておりました。  



その背景は 紗綾型の襖。  


以前に このブログでも 取り上げさせていただきましたので、
今月 舞台を見られて「さやがただ!」と思っていただいた
お客様も いらっしゃるのではないでしょうか?



今回も細川勝元の家来で 弾正の刃傷の場面では 
紗綾型の襖の前に鎮座しております。(笑)



奇しくも年末年始 細川勝元 大岡越前守 

名奉行二人のそばにいる家来でございます。


(鼠小僧の大岡越前守は 名奉行かどうか???? ですが・・・・笑)


千秋楽まで あと一息。




この公演が終わり 2月は私、お休みをいただきまして 

少し骨休めをさせて頂きます。 





そして 3月(まだ未定ですがどこかに出演しております)、
4月は 同じ新橋演舞場での 

おもだかや一門での公演 『四谷怪談忠臣蔵』に出演させて頂きます。

3月4月の事は また改めまして・・・。