昨日の続きですが 3日目(9日)の朝を迎え 
やはり5時におきて台詞を繰っておりました。

本当は3日目ですから 代役も今日で終わりだと思っておりました。

ですから今日 精一杯やらせて頂こうと・・・



でも楽屋に入り 五重塔の出番を終え 沖の僧都の支度をしておりますと、
会社の方が見えて 

「猿弥さん 本人はもう大丈夫との事なのですが まだお医者さんから
 GOサインが出ません 申し訳ありませんが 後 数日 代役を御願いします。」

との お話を頂き 覚悟を決めて舞台に臨みました。


この日、家人も、「ひょっとしたら お役も今日で最後かも?」と 
急遽 仕事を休み、私の舞台を見に来てくれましたが 
後、数日 続く事を知り それならそれで 1日1日 大事な舞台を・・・ 
と気にかけてくれていました。


ところがこの日の舞台は 自分のなかで かなりパニックになってしまい 
家人も 客席でかなり息が詰まったそうです。 


台詞も私が覚える以上に 横で聞いて覚えていました。 

自宅で 無意識に台詞を 繰っておりますと、詰まった折には
どこからとも無く 附けてくれておりました(笑)

私 タジタジ・・・



稽古はもちろん大事なのですが 3日間 自分を追い込みすぎてしまい
この日は 疲れがピークに達しており 分かっている台詞が 
のどがカラカラに渇き 舌が回らず かなり詰まってしまいました。

 
自分の中でこの日は 6日間の中で最悪だったかも知れません 45点!!

この日見られたお客様 ごめんなさい。
・・・この日だけには 限りませんが・・・


その次の日は 4日目 もう自分の中で 開き直った気持ちになり
本役のつもりで演じさせて頂き この日が 6日間の中の最も良く出来た日 85点。


で 5日目 を終え この日に代役は明日までですと お知らせを頂き
6日目を終えれば 苦しい代役が・・・いえ 残念な事に終わるのかと 
複雑な気持ちを 持って6日目の舞台を終えました。


そして海老蔵さん 玉三郎さんに 
「一応 会社から 代役は本日までと言われました。ありがとうございました。」
とご挨拶に行き 
お二人からねぎらいのお言葉を頂きました。 



次の日 私の楽屋入りより早く 猿弥さんが待機してくれており 久しぶりに元気な
猿弥さんの顔を見て 本当に嬉しかったです。


彼も 「急にこんな難しいお役の代役をさせて ごめんね ごめんね。」と
何回も 謝ってくださり きっと 病気でうちにいても 
気が気でなかっただろうな? と
私も猿弥さんの気持ちが分かりました。



何はともあれ代役の日々を終え 再び私は ホッとする毎日を送らせて頂いております。


猿弥さんは猿弥さんで 水を得た魚のように いえ 水を得た海坊主のように
『沖の僧都』 素晴らしい舞台を勤められておられます。 


良かった!良かった! 


やはり猿弥さんの『沖の僧都』でないと 舞台がしっくりいたしません

残念ですが 自分の中では猿弥さんに脱帽です。 
でも本当にいい経験をさせてもらいました。


代役に関してのブログは これでお開きです。 ありがとうございました。