突然ですが、ここで問題です。

以前にこちらのブログでも掲載いたしました二枚の写真。
ちょっと気恥ずかしいですが(笑)もう一度並べて掲載いたします。


イメージ 1



イメージ 2



さて、二枚の写真。

どこが違うでしょうか。




もちろん、お化粧は違います。
最初は所謂侍女のお化粧、後は本性を現したクモの変化(へんげ)でございます。


それ以外に・・・・


どこでしょうか。



衣装??

これは、同じ衣装です。
ただし、後は立ち回りがございますので、ストール(ひれ)は
はずしております。


さて・・・・





実は、鬘です。


鬘そのものは 同じものを二度かぶせてもらっているのですが

(今回、変化の化粧に変わりますときは、衣装は着たままですが、
 鬘は舞台袖で毎回ぬがせてもらい、楽屋に戻っております)


後には、鬘をかぶる前に 「耳ジケ」を整えます。




これは、二枚めの写真を見ていただくと分かりますでしょうか?
耳の所に、左右一束ずつの髪の毛?がありますよね。これのことです。

私たちの場合は、鬘をつける前に、左右がつながったものを頭に置き??
その上から鬘をかぶっております。
(鬘自体は同じものです)



この「耳ジケ」は 変化(へんげ)が本性を現したときに 象徴的に使われます。




今回、典型的なのは 春猿さんなのですが、皆様お気づきでしょうか?

笑三郎さんや私たち侍女は、一度引っ込んでから、後の変化になりますが、
春猿さんだけは、舞台上で本性を見抜かれ、本性を現します。



その時・・・
鬘の鬢(びん)から、この「耳ジケ」を引き出します。

これで変化になった事を お客様に分かっていただくような演出なのです。




変化の代表作??
「連獅子」や「鏡獅子」の毛振りの際にも、
この「耳ジケ」をつかんでおります。
まさに「変化」の「本性」を示している部分ですね。


「耳ジケ」。変化物のお芝居・舞踊にはつきものです。
今度ご覧になられます時には、「耳ジケ」にも 注目してみてください。