今日は中日劇場の話題を少し離れて 心のふるさとのお話を・・・



先月の御園座公演を終えて 一旦 東京に戻り その間に様々な行事があり
そして 今月のお稽古があり 再び名古屋に入りました。

この事は皆様 すでにご存じ・・・ 


実はその間に 東京・銀座でのお稽古の時間を見計らって 
東劇で上映されていた 『おくりびと』と『つみきのいえ』を見ました。



テレビで受賞が報道された後に すぐに見たかったのですが 
その時には まあ長蛇の列・・・ それまでは そんなに混んでいなかったのに・・

私も含めて なんと評価に左右される人間の多いことかと 苦笑い致しました。


皆様ご存じの アカデミー賞 外国映画賞と アニメ部門受賞の 2作品です。

(つみきのいえの感想はまた後日に・・)


私 映画は大好きですので 話題作 娯楽作 超大作はもちろん 
マイナーな映画も 時間があれば見に参ります。

そして黒澤明監督作品はもちろん大好きですので 戦前戦後を通しての作品。

リバイバルや DVDを含めて ほとんどを見ております。

でも 黒澤監督の作品を持ってしても アカデミー賞 
外国映画賞は受賞できませんでした。

最近では『ラストサムライ』も候補にあがりましたよね・・・


それが 失礼ですが時代劇でも無く 一見、小粒な作品 『おくりびと』が
受賞と聞いて本当に驚きました。

受賞前に、普通に上映された時に 見に行くと云う 普通の行為ができず 
見逃してしまった自分。 
(実は見た方から”すごくいいから是非見なさい”と言われていたのに)

映画人生を自称する自分の誇りが無残にも打ち壊され 
その作品が他の方々と同じように 名誉を得てから見させて頂いた事に
自分ながらに 情けなさを感じます。(笑)


とはいえ この作品 私が思っていたのと180°・・とは言いませんが 
120°ぐらい 反対角度の映画でした。

はじめはなじみにくい映画かな?と 暗い映画と云う印象をぬぐい切れませんでした。
 
納棺師と云う 特殊なお仕事 本当に頭が下がりました。

(最近、父を亡くした私ですが 残念ながら自分の仕事のために 
 この納棺の時間帯には 私は立ち会えませんでした。)


人の死にまつわるこのお仕事に対して 映画の中でも揶揄したり 
罵声を浴びせる場面が出てきたり 私も ここまでとは言わなくても
ある程度の偏見は 持っていたかも知れません

でもそれこそ 私の誤解であり それがこの映画を外国の世界の人が評価をし
アカデミーと云う最高の名誉を得られた事に本当に敬意を表します。


映画の最後の場面で 覚えていない父の最期をみとる主人公!!とその奥さん!!

私 本当に涙が止まらない思いでした。 


時代劇 超大作でなくても この映画を評価された アカデミーの審査員の皆様の
慧眼に頭が下がります。 


出演者の皆様の個性 吉行和子さん 余貴美子さん 笹野高史さんをはじめ

そして 難しい役を演じられた本木雅弘さん 

それと 私は山崎努さんの素晴らしい演技に 拍手を送りたいと思います。



黒澤明監督も成し遂げられなかった アカデミー外国映画賞。

滝田洋二郎監督 本当におめでとうございました。 

遅ればせながら 今夜は個人的感情のブログで失礼いたします。

もし、ご覧になられてない方がいらっしゃいましたら、
是非お勧めいたします。
確かまだ、東劇で上映中です。