今回の『雷神不動北山桜』の中で、重要な人物はたくさん登場して参りますが、
所謂、看板さんでない役者さんで 最も重要なお役は
「万兵衛 実は瀬平」では ないでしょうか?
所謂、看板さんでない役者さんで 最も重要なお役は
「万兵衛 実は瀬平」では ないでしょうか?
先日 ご紹介致しました 笑野くんの小磯の本当の兄は万兵衛ですが
小磯が序幕 大内で早雲の王子に殺された後 万兵衛も地元で
殺されたことになっております。
小磯が序幕 大内で早雲の王子に殺された後 万兵衛も地元で
殺されたことになっております。
で 小野春道を失脚させるために 小磯の兄 万兵衛を名乗って
小野館に乗り込んで参りますのが、このお役。
小野館に乗り込んで参りますのが、このお役。
実に重要な役です。 ところが歌舞伎十八番 『毛抜』の場面では
敵役にもかかわらず 少し三枚目風に描かれております。
敵役にもかかわらず 少し三枚目風に描かれております。
粂寺弾正に嘘を暴かれ あたふたする所業に
観客は胸のすく思いをするのでしょうね。
観客は胸のすく思いをするのでしょうね。
この「万兵衛 実は瀬平」を演じておられるのは 嵐 橘三郎さん!
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190630/10/enzaburou/b1/6c/j/o0400030014486046947.jpg?caw=800)
私の父 冠十郎 亡き後 上方歌舞伎ゆかりの嵐姓を名乗っておられるのは
この方 おひとりだけです。
(前進座の方々は除きますが・・・)
この方 おひとりだけです。
(前進座の方々は除きますが・・・)
私の先輩で 天王寺屋 中村富十郎さんのお弟子さんで
名題になられた折 嵐姓を継がれました 実力派の歌舞伎役者さんです。
名題になられた折 嵐姓を継がれました 実力派の歌舞伎役者さんです。
現在はお弟子の域を離れて 単独で歌舞伎公演に御出演されており
それこそ 色んな一座から 引っ張りだこの存在です。
それこそ 色んな一座から 引っ張りだこの存在です。
来月は新橋演舞場で 播磨屋さんの鬼平犯科帳にも御出演が決まっております。
私が関西に所属していた折からのお付き合いで
私にとってはおもだか屋の一門より 深い御縁があります。
私にとってはおもだか屋の一門より 深い御縁があります。
今月は御園座の楽屋を 二人で使わせて頂いております。
先日も久しぶりに 二人で飲みに行き 昔話に花が咲きました。
今日の写真は 嵐 橘三郎さんの『毛抜』での「万兵衛 実は瀬平」です。
おなじみの表現を使わせて頂きますと
「実にいい仕事をしている。 いい味を出している。」
「実にいい仕事をしている。 いい味を出している。」
独特の持ち味の 貴重な役者さんのお一人になられました。