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夜の部、弁天小僧のお芝居の中で一番華やかな場面
それが五人男の揃う 稲瀬川の場面です。


弁天小僧に始まり、花道からひとりずつ、
それぞれの黒御簾の唄につれて登場し、
逆七三で見栄をきり、並びます。

そして最後が親玉の日本駄右衛門の登場です。


唄もひとりひとり因んだ歌詞です。
花道に五人が並ぶと本当に壮観ですよね。



そして、着物の誂えもひとりひとりに因んだ染め模様となっております。

浜松屋の幕開き 五人男の仲間である「狼の悪次郎」が
浜松屋の手代とやりとりをしております。
「あいにくの雨模様で、染めがあがらなかったので。」と
言っている染めの着付けとは、この五枚の着物の事です。


着付けの布地はみんな一緒の紫縮緬です。

日本駄右衛門は五人男の親玉を親船に見立て 羅針盤、碇綱立浪模様。

弁天小僧菊之助は江ノ島弁財天の守り神 琵琶 白蛇
そして菊之助(音羽屋にちなみ)の菊模様。

忠信利平は雲龍模様。

赤星十三郎は鶏、北斗七星、桜模様。

南郷力丸は稲妻、雷獣模様。

どうです?それぞれが役柄に応じて工夫を凝らしてあるでしょう?



今日の写真は春猿さんの赤星十三郎です。

無理を云ってモデルになって頂きました。
衣装の着流しには鶏と北斗七星、桜 が描かれております。


五人の中でも一人女性的に 描かれていますので「桜」模様
そして「赤星」という 名前にちなんで
「夜“あけ”」を意味する「鶏」と「星」の象徴としての「北斗七星」

よくできている ものですね。