本日 歌舞伎座の道成寺の出番終了後 斎場へ行き父のお見送りを致しました。


年の瀬の慌ただしい中でしたので 通夜、告別式は行わず 身内だけの数人で
父を送らせて頂きました。


歌舞伎座の出演者の皆様や その他の劇場出演の方々からも お悔やみの言葉や
弔電を頂き 本当に 感謝申し上げます。

また、このブログにおいても数多くの方から お悔やみのコメント頂き 
改めまして この場をお借りして 御礼申し上げます。 ありがとうございました。

コメントへのお返事、もう少し落ち着きましたら、
順次書かせて頂きます。



病に倒れてから10年、 逝かれてしまうと 長いようでもあり あっという間でもあり
複雑な気持ちです。

数日前に、病院に見舞いに行った折には、まだまだ元気で、
年越しが出来ないなんて、疑いもしておりませんでした。



一昨日 道成寺 出演のためのお化粧を始めようと思った矢先 病院より電話があり
「様態がおかしいです。急いで来てください。」との報を頂きました。

舞台が控えているために 「今すぐには 参れません 3時間ほど後に伺います。」
と 申し上げました。 おそらく看護婦さんには 薄情な息子と映ったことでしょう。

胸騒ぎがする中 化粧を始めますと 10分もしないうち 
「今、息を引き取られました。」と ・・・・

その日の道成寺の舞台ほど、 諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽 の唄が
本当に重く感じられた事はありませんでした。 


その後 父と会い 色々な事を語りかけ 籠釣瓶の出番に 帰って来るまで
約半世紀の出来事が 本当に走馬灯のように駆け巡りました。

この10年の闘病生活。 こんなに長かったのに 
逝く時は 10分の気持ちの余裕もくれないのか・・と
冠十郎さんらしい 慌ただしさに 呆れました。 

怒涛の2008年 様々な事があったこの年の締めくくりに 
父が最後を締めてくれました。


実を申しますと、今月は京都の顔見世に出演する可能性が非常に高かったのですが、
なぜか、東京歌舞伎座への出演となりました。

今思えば・・・・

また、慌ただしかったとはいえ、きちんと最後までお見送りをする事が
できました。

役者は、親の死に目に会えないもの。かねて覚悟は致しておりました。
でも、送ることは出来ました。感謝申し上げます。



父よ やっとゆっくり ・・・・ ご苦労様でした。 もう休んでください。


ありがとう。   合掌。     
 
   
皆様 本当にありがとうございました。 

明日から 少しこのブログで 父の思い出を語らせて下さい。

父の思い出、ご存じの方、映像等で見て頂いた事がある方。
また、その他、なんでも結構です。
父に関してのこと、よろしければ ゲストブックに書いて下さい。

それが父へのなによりの供養になると思います。

よろしくお願いします。