舞づくしとは・・・
『道成寺』の舞台で 白拍子花子が所化たちより金冠を受取り
次の支度のために一旦 下手へ入った後に、
所化たちが 舞についてお話をします。
その話の中、必ずそこで一人が必ず引っ張り出されて、
舞の歴史から入り 途中からはくだけて 現代的なお話も交えて、
「舞」について語ります。そのお話の事です。
この「舞づくし」。これにつきましては、台本には、決まりがございません。
「よろしくあって・・・」と書かれてあるだけです。
とはいえ、始まりから舞の歴史を語っている間は、ある意味「型」になっている
フレーズもございます。
もちろんそれだけではなく、少しでもお客様に楽しんで頂きたいと思い、
時事的なアレンジを加えながら、それぞれ趣向を こらします。
聞いたことがあるかたも いらっしゃるのではないでしょうか。
例えば 「田楽“舞” 猿楽“舞” 横浜名物ありゃシュー“マイ”
食べたところがこりゃう“まい”。」などと
最後に舞を“まい”にかけて “まい”で終わる単語を作っていくのです。
ところがこの舞づくし 毎日が同じ人ではありません
初日近辺は、ある程度 話される方が決まっておりますが
「何日からはランダムで行きます。」
と落ち着いた頃に申し渡されることもございますし、
時には なんの予告もなく、突然 舞台上で指名を受け、
引っぱり出されることもございます。
突然の指名といえども、お客様の前で、立ち往生する訳にはまいりません。
役者は皆、普段からある程度のお稽古をして心の準備をいたしております。
とはいっても、現代的な部分は、もうある程度は以前にどなたかが使って、
すでに出尽くてしまい
聞く方も「以前に聞いたことがあるなあ」と感じられるような、
新鮮味のないものが多くなってしまっております。
ですから逆に 役者としては、ここが腕の見せ所!
個人個人がいろいろに考えて あの手この手で工夫を凝らし
人が言ったことのない舞づくしを探してきます。
時にはお客様どころか、私たちも吹き出しそうになってしまうこともございます。
ま これも御愛嬌ですが・・・
毎日日替わりで行われる舞づくし
これを楽しみにしておられるお客様も 大勢おられます。
25日間の公演、お客様が ご覧になられるのは、
一度、もしくは多くても、二度か三度くらいだと思われます。
その、その日その日、私たち「所化」を演じる役者も
「今日が今月でただ一回の見せ場!」と 頑張っているかもしれません。
まだ今月は、舞づくしの順番についてのお達しはございませんが、
もし、万が一、私が舞づくしをお話しさせて頂く日がございましたら、
その日に また たまたま ご覧になられました お客さま、
これも、一期一会として、お楽しみくださいませ。
・・・ここを読んで頂いている方が、たまたまその日に当たるなんて、
限りなくゼロに近いでしょうが・・・(笑)
『道成寺』の舞台で 白拍子花子が所化たちより金冠を受取り
次の支度のために一旦 下手へ入った後に、
所化たちが 舞についてお話をします。
その話の中、必ずそこで一人が必ず引っ張り出されて、
舞の歴史から入り 途中からはくだけて 現代的なお話も交えて、
「舞」について語ります。そのお話の事です。
この「舞づくし」。これにつきましては、台本には、決まりがございません。
「よろしくあって・・・」と書かれてあるだけです。
とはいえ、始まりから舞の歴史を語っている間は、ある意味「型」になっている
フレーズもございます。
もちろんそれだけではなく、少しでもお客様に楽しんで頂きたいと思い、
時事的なアレンジを加えながら、それぞれ趣向を こらします。
聞いたことがあるかたも いらっしゃるのではないでしょうか。
例えば 「田楽“舞” 猿楽“舞” 横浜名物ありゃシュー“マイ”
食べたところがこりゃう“まい”。」などと
最後に舞を“まい”にかけて “まい”で終わる単語を作っていくのです。
ところがこの舞づくし 毎日が同じ人ではありません
初日近辺は、ある程度 話される方が決まっておりますが
「何日からはランダムで行きます。」
と落ち着いた頃に申し渡されることもございますし、
時には なんの予告もなく、突然 舞台上で指名を受け、
引っぱり出されることもございます。
突然の指名といえども、お客様の前で、立ち往生する訳にはまいりません。
役者は皆、普段からある程度のお稽古をして心の準備をいたしております。
とはいっても、現代的な部分は、もうある程度は以前にどなたかが使って、
すでに出尽くてしまい
聞く方も「以前に聞いたことがあるなあ」と感じられるような、
新鮮味のないものが多くなってしまっております。
ですから逆に 役者としては、ここが腕の見せ所!
個人個人がいろいろに考えて あの手この手で工夫を凝らし
人が言ったことのない舞づくしを探してきます。
時にはお客様どころか、私たちも吹き出しそうになってしまうこともございます。
ま これも御愛嬌ですが・・・
毎日日替わりで行われる舞づくし
これを楽しみにしておられるお客様も 大勢おられます。
25日間の公演、お客様が ご覧になられるのは、
一度、もしくは多くても、二度か三度くらいだと思われます。
その、その日その日、私たち「所化」を演じる役者も
「今日が今月でただ一回の見せ場!」と 頑張っているかもしれません。
まだ今月は、舞づくしの順番についてのお達しはございませんが、
もし、万が一、私が舞づくしをお話しさせて頂く日がございましたら、
その日に また たまたま ご覧になられました お客さま、
これも、一期一会として、お楽しみくださいませ。
・・・ここを読んで頂いている方が、たまたまその日に当たるなんて、
限りなくゼロに近いでしょうが・・・(笑)