イメージ 1

籠釣瓶の舞台である 『吉原』  

浅草寺の北側 千束4丁目あたりに吉原の大門(おおもん)があったそうです。


今ではその面影は まったくありませんが 大門を出た辺りに 見返り柳があり 
その石碑だけは残っているみたいですね。


佐野次郎左衛門みたいに 大門を出て 吉原で遊んだお客が名残を惜しんでの 
見返りの場所だったそうです。


私は 吉原の無くなる少し前に生まれていますが もう遊郭と云う場所の記憶は
ありません が それでも吉原はまだあり 大阪は飛田 名古屋は中村などに 
それらしい雰囲気の場所がありました。

(中村にはまだ大門という名前が残る地名がありますね)  

今では吉原の雰囲気を味わえるところは もう皆無でしょうか。


実は20数年前に 市川猿之助一座 義経千本桜の演目で ヨーロッパ公演で
各都市へ行きました。

その中に オランダ アムステルダムの公演もありました。
 
その時に後学のために 有名な飾窓地帯へ何人かで見学に参りました。
 
もちろん 行っただけで 誓って 決して中には入っておりません
念のために(笑)


その時に感じたことが 東洋と西洋の違いはありますが なるほど 
吉原とはこんな感じ 雰囲気のところかなあ と思いました。
 
小川を挟んで両側の メインストリートには ガス灯(電気かな?)が 何本もあり
その道の両側にズラ~っとお店があり 道路側に大きな透明の窓があります。  
そして その向こうに 各 きれいな女性がお客さんを招きながら 待っている訳です。

不思議な事に やり手婆みたいな人もいるのです。 


本当にお芝居に出てくる 吉原 格子窓に並んでいる 花魁(おいらん) 
そのままの雰囲気でした。


歌舞伎の舞台では その雰囲気を味わって頂くために 籠釣瓶の幕あきは
独特の演出をしております。


私たちは チョン・パ と表現しますが 開幕の柝が鳴り始めると客席は真っ暗になり その間に幕が開いて参ります。

そして止め柝で 明天(あかてん)になります。

(あかてんとは 一番明るいと云う照明の言葉で 舞台はもちろん 客席の照明まで
 全部をつけた状態です。)


そして舞台は 『吉原 仲の町 !!』

この演出には お客様は毎回 「うわ~!!」と感嘆の声が上がります。 

ここでもうお客様も吉原へ足を踏み入れた状態ですね。

このきらびやかな場所に 私たちの気持ちと同じくした吉原をはじめて訪れる田舎者、
佐野次郎左衛門が花道から キョロキョロしながら登場する訳です。


そして その仲の町の花魁道中で御職(おしょく)をはっていた花魁 八ツ橋と
出会います。

(御職とは 吉原での稼ぎかしらと云う 意味です。)


誰だって 宿に帰るのが嫌になる訳ですよね。 


今日は 籠釣瓶の舞台である 『吉原』 のお話を書かせてもらいました。
 
今日の一枚は 暗い中から パッと明るくなったときの 吉原 仲の町の写真です。


その気分を どうぞ味わいに来て下さりませ。