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昨日 6年前のコックドールについて書かせて頂きましたが やはり
思い出は尽きず 数回にわたって 少し続きを書かせて頂きたいと思います。


今夜はマキアージュの事についてです。

(フランス語でメイクアップの事ですが 今の若い皆様には 云うまでもなく 御承知のことでしょう。)

ソリスト コーラスやダンサーに至るまで 出演者はもちろん 歌舞伎の
お化粧を致します。

初演からのお化粧のテキストはあるとは云え やはり何年も前の事ですので それに携わる現地の方はみんな 歌舞伎のお化粧は初めてです。

何十人も出演するコックドール

私ひとりで、すべての出演者のお化粧を担当する事もできず 必然的に 
あちらのマキアージュ担当の方に その化粧法を教える時間が要ります。 

出演者 スタッフなどの舞台指導 その後の打ち合わせ それ以外の時間に
マキアージュ担当の方に お化粧を教えなければならないので 本当に時間がありません

そして モデルがいなくてはお化粧の指導ができないのですが、
モデルになって下さる方は みんな ダンサーです。

歌舞伎もそうですが あちらのオペラの世界も やはり上下関係があります。

ソリストの方は お稽古時間以外は 見えませんし それ以外の束縛時間にはマネーが発生します。 コーラスも 金額の差はあっても同様です。


そこでオペラに出演するダンサーの方に手伝って貰う事になります。

彼らはいわば その舞台に雇われたアルバイト的な形です。

でも嫌であれば 日本と違い 契約と違うと拒否することもできます。が 
彼らは 喜んでモデルをかって出てくれました。

彼らの堀の深い顔に 歌舞伎化粧法 ビン付けを塗り 白塗りをして 
紅で隈取りを描き その化粧法の意味を説明します。

それも 日本語からマキアージュの方たちのフランス語に訳して さらに
英語やロシア語に・・・・

マキアージュの方はほとんど女性で 数人おられます。が
一つの線を描くのにも 翻訳しながらですので何十分もかかります。

でもマキアージュの方たちの 持ち時間は限られおり これもなかなか
大変な作業でした。

今日の写真は モデルになってくれたダンサーの方たちとのひと時です。

この中の黒人の方は 正直に言って 白塗りをするのに 私 申し訳なく 
すごく抵抗がありましたが 彼は嫌がらず お化粧だからと 理解してくれ
ました。 でも 白粉(おしろい)ののり 彼の肌のきめ細やかさ 
ツルツルの肌の綺麗さに びっくりしたのも事実です。