本日、昼の部は「金城学院高等学校」の女子の皆様の貸切でした。
 
一昨日同様 開演前に やはり段治郎君のご挨拶があり 全生徒さん 大盛り上がりで
「椙山女子学園高等学校」の皆様と共に 素晴らしいご観劇の態度でした。 心から敬意を表します。

本当に2校の皆様に改めて 御礼申し上げます。

また ゲストブックに椙山高校の生徒さんより コメントを下さり 私にとっては嬉しい限りです。

今後ともスーパー歌舞伎に限らず すべての歌舞伎を御覧になって下さいませ。 

よろしくお願い申し上げます。


さて 昨日は演出の事に 少し触れさせて頂きましたが、その続編と云うことで
今夜も少し、そのお話をさせて頂きます。

昨日同様 続きは熊襲館が一番わかりやすいので その演出の裏を暴いて見たいと思います。(笑)


小碓の命が踊り女に化けて 熊襲タケル兄弟と一緒に踊っている最中に 灯を消します。

そして舞台は真っ暗になったと云う設定です。
(歌舞伎ではこれを だんまり といいます。)


で ここで皆様 昨日同様もう一度考えてみてください。

明かりは 館の上の方に シャンデリアみたいな形で ろうそくでの明かりがあります。

でもあの位置に ろうそくの明かりがあると 本来、照らされるのは それより上ばかりで
下には明かりが届かず 真っ暗のはずですし そこに天井があると 逆に天井が燃えてしまいます。

よしんば天井が更に高いとすれば 余計に下には明かりは来ないでしょう。

そして明かりは、あれだけの人がいるにもかかわらず あそこだけです。

次に 小碓が綱を切って 明かりを落として消したことになっていますが 
ろうそくは 強い横風が吹かない限り そのまま下に落としても 消えません

それどころか 落ちた衝撃で横に倒れれば そのあたりの木に燃え移り すべて燃えてしまうでしょう。
と云うことは だんまりにはならず 却って明るくなってしまう訳です。

明かりや ろうそくがたくさんあると 消す作業も難しい? だんまりにしたい。 

ここで 初演の時の旦那曰く 
「ここは歌舞伎の嘘で これはろうそくでは シャンデリアの設定でいきましょう。」と ・・・

つまり 綱を切ることによって、明かりのスイッチを切った!もしくは壊した!

ろうそくではなく、シャンデリアの明かりが消えた!  その時代に電気はありませんが 
御覧になっている皆様は 現代の人々 そこに猿之助旦那の演出術の妙にかかっているのです。

現代の人は 切った(スイッチのイメージ)明かりが消えた(電気が消えた)

そこにろうそくであろうが 何であろうが もうスーパー歌舞伎の演出の術にかかり
何の違和感もなく 舞台を見ておられる。 

弟タケルの「灯(あかし)を・・」で 窓を開けて 月明かりが入ってきて みんなが見えるくらいなら
始めから 窓全開で宴会をしていた方が どれだけ明るいことでしょう。(笑)


どうです? 今夜もさらに馬鹿馬鹿しい 『歌舞伎の嘘の演出』に
皆様 騙されながら楽しんで頂けましたか?  

明日も ひょっとしたら この続きかも・・・・