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こんばんは 今夜は隈取のお話です。

以前にも何回か 隈取のお話はさせていただきましたが、私が荒事的なお役をさせて頂くのは
かなり珍しいのです。

ヤイレポの隈取は「むきみ」と申しまして 助六や 対面の五郎などのお役 本来は紅ですが・・・

これは、あさりや はまぐりの 二枚貝の貝を開いて見た状態で
一つが 片目に似ていて 二つ並べて両目 見てみると身の色の変わっている部分が 
隈取の色として 使っては面白いかなと云う 江戸時代の先人の知恵です。

従いまして むきみ と申します。

スーパー歌舞伎での隈取は あくまでも模写であって 本来のものではありませんが
熊襲兄弟は荒事のお役に近いと云うことで 筋隈(兄タケル)と赤っ面のむきみ(弟タケル)です。

ヤイレポは一旦 熊襲で手傷を負わされ ヤイラムの言葉で死んだことになり
その後 罠が露見してヤイラムとともに やられてしまうので 亡霊に近い色を選択して
私がこの色にしました (吉弥さんが なされた時はもっと青に近かったと記憶しております)

私は紫で 中間色を選びました。

今日の写真は2005年 博多座で右近さんの「四の切」の時
坂東玉三郎さんの静御前で 私、初めて亀井六郎をさせて頂きました。
博多座の楽屋で 赤っ面の隈取(熊襲 弟タケルと同じ)を描いてみた時です。

この隈取(むきみ)は 本来、年齢が若いと云う設定で 子供を表現しております。

ヤイレポには眉の外に 癇筋と云う ラインが入っておりますが 
これはさらに 年齢が上 そして もっと荒々しさを表現いたしております。 
比べていただけると面白いかと 思います。  

3年前とは云え やはり今よりは若いですね。 これはどうしようもありません
(写真は正直です)

せめて舞台だけは 若々しくありたいと願う毎日です。