今日は、博多座の「顔寄せ」に始まり 1・2幕のお稽古でした。

今回の顔寄せは 私の市川猿三郎襲名と 
市川門松さんの名題披露の ご当地紹介が一緒になりました。

博多座の劇場関係者には 二人が初めて紹介されたのですが、
出演者、スタッフ等はすでにご存知であって
紋付袴で並ぶ二人は 少し照れくさいものです。(笑) 
 
でも、仕来りとは こう云うものなのです。

今では 知っている人もいないからとか やる人も大変だからとか 地方の場合 
稽古着姿のままで 少しの造作を割愛して、紋付でなさらない方も多いそうです。
(もちろん 看板さんや若手襲名興行以外のことでですが・・)

周りの人も納得されて 許されてしまうのですが、
あくまでも簡略化と云うことが 周りの方がご存知でいるのと
この後される方が これでいいんだと思われるのとは、別のことなのです。

後の恥じに成ってはいけないものなのです。
(私は大事な事だと思います)

そして 1・2幕のお稽古にかかりましたが 蒲生でお稽古をして 
その段取りよさで 新橋演舞場のお稽古がスムーズに行ったのとは やはり全然意味が違います。

1ヶ月間 東京で公演を行ってきたと云う自信が各自に表れており
(これは、却って主役級の方より舎人や火の精、浪後見の方たちの意味で)

私や猿弥さんが、演出助手として 段取りを決めようとする以前に 彼らが考え
すべて出来上がっているのです。この進歩はすごいですね!!

決して 彼らの能力を侮っていたのではないのですが 
それを先んじて実行してくれている彼等を今回、大変頼もしく思います。

蒲生の時のお稽古の時に 初めて参加してくれた人々が 
もう先輩達と遜色なくその立場を弁えていてくれる

もう私たちは 若い人たちを 信用するしないとかと云う解釈ではなく
彼らの育つ力を 蔑ろにしてはいけないですね・・・

いつまでも、自分がやらなければいけないと云う考え方を 脱却させられる今日のお稽古でした。
この後 大阪松竹座 名古屋中日劇場のお稽古 本公演も含めて すごい安心感が持てました。

私はやはり 貧乏性なのでしょうね。

明日は第3幕のお稽古 油断するのではなく 彼等を信じられるお稽古が楽しみです。