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今日の写真、これがどなたかおわかりになられるでしょうか?

初代松本白鸚さん(八代目松本幸四郎さん)と、私の記念すべき一枚です。

白鸚さんは現松本幸四郎さん、中村吉右衛門さんのお父様で、
また、市川染五郎さん、松たか子さんのおじい様です。

横に写っております私、何と、中学一年生でございました。

これは昭和四十年五月名古屋御園座の「名和長年」というお芝居で、
八代目幸四郎さんの名和長年で、私が三男の「乙童丸」と云う配役でした。

この時には、私には実のところ、まったく実感としてございませんでしたが、
同じ役を、三月歌舞伎座では、現団蔵さん(当時銀之助さん)が演じられ、
また、四月大阪新歌舞伎座では、現仁左衛門さん(当時孝夫さん)で
上演されておりました。
その三ヶ月目に、なんと私が同じ役を頂戴していたことになります。

今、この三人のトリプルキャストなんて・・・
ありえるはずもございません・・・
子役だからこそ、実現したことでございましょうか(苦笑)

高麗屋のお家のお芝居で、現在ではあまり上演されてはおりませんが、
乙童丸は、少年にも関わらず、父と間違われ、それがきっかけで
流されていた上皇を迎えにいき、旗揚げがなされると云う、
本当に重要なお役でございました。

花道から、鎧武者の扮装で、父である名和長年と一緒に出陣する乙童丸。
その出を待つ時の写真でございます。

白鸚さんとご一緒させていただきましたのは、これが初めてでございました。
この後、帝国劇場の杮落としなど、二、三度ご一緒させていただく機会がございましたが、
一緒に写真を撮らせていただけたのは、この時だけでした。
たった一枚しかございませんが、私にとっては、貴重な思い出の一枚です。