私は昨年12月、歌舞伎座夜の部の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に出演しておりました。
比較的お昼は自由でしたので、何回かよその公演も観に参りました。

その中でも、東京宝塚劇場で行われた花組、春野寿美礼さんの退団公演
「アデュー・マルセイユ/ラブ・シンフォニー」は二回観に行きました。

私は結構、春野さんのファンで、「ファントム」も生で観ております。

自宅のテレビでも歌舞伎チャンネルと宝塚スカイステージの両方が見られます。

ここ数ヶ月、色々な組の「ベルサイユのばら」が放映され、チャンネルを変えている間で
見つけてしまうと、見ようと思っていた番組も忘れ、ついつい見入ってしまいます。

この「ベルサイユのばら」は1989年10月27日の俳優祭でパロディが上演されました。
これは、歌舞伎チャンネル等でも何度か放映されておりますので、ごらんになられた方も
多数いらっしゃるかと思います。
私もフランスの兵士で福助さんのオスカルの後ろで踊っておりました。

また、スーパー歌舞伎「新・三国志」で、劉備と共に出陣をする際の踊りの振り付けも
ここからヒントを得ております。(この踊りを私達は通称「ベルばらダンス」と呼んでました)
このときに、私達に振り付けをしてくださった方は前田清実さんと言う方でした。
先日の「アデュー・マルセイユ」の中の踊りが、なんとなく似ているなと
思ってパンフレットを確認したところ、やはりすべて前田清実さんの振り付けでした!
びっくり!もあり、懐かしくも思いました。

男性が女性を演ずる歌舞伎と、女性が男性を演ずる宝塚と一見矛盾するようですが、
この二つは、縄のように相互関係にあります。
様式美を重んずる舞台は、両者同じでありますし、何より、主役がカッコイイ!

春野さんの立ち居振る舞いは、洋服ではありますが、歌舞伎に通じるものがありました。
もちろん、歌は本当に素晴らしい!

実は私の初舞台は、宝塚大劇場です。
といっても、宝塚で踊っていたわけではなく、「無法松の一生」の吉岡少年役でした。
これは当時大劇場の横にあった宝塚新芸座(現在のバウホール)の交換公演で、
新芸座の一員としての出演でした。

この当時は歌舞伎界の大御所や新派の先代水谷八重子さんなども、宝塚の舞台で
芝居をされたことが多々ありましたが、現在はほとんどなくなってしまい、
私としましては、たいへん貴重な体験をさせていただいたと思っています。

最近、うちの一門の方たちも、宝塚出身の女優さんとの舞台が続いており、
出来ることなら私も一度、出てみたいなと思っております。

一月公演の千秋楽が終わった後には、ある方に切符を譲っていただき、
帝国劇場に「Endless SHOCK」を観に行きました。
この話は、また明日に・・・(つづく)