国家公務員総合職森林・自然環境区分へ専門外から挑戦 | サイコロにもてあそばれる日々

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統計学に関連する内容を備忘録代わりに書いていきます。

国家公務員試験森林・自然環境区分は林野庁技官・環境省自然系技官・国土交通省造園系砂防系技官を主に志望する人のための試験です。
この区分を受ける人は農学部の森林科学科や造園学科の人がほとんどです。
しかし環境省の採用ページの「内定者の声」を参照すると、専門外から挑戦する方もいらっしゃるようです。
同じ森林・自然環境区分でも総合職は科目を選択できる一方、一般職は全科目必須です。
したがって専門外の方は総合職を狙うことになると思います。
読者の方のお役に立てればと思い、専門科目の勉強法を記述しておきます。

全般的な勉強法
過去問の入手
身近に過去問をもっている方がいればベストですが、そうした方がいらっしゃらない場合は人事院に情報公開請求をすると入手できます。
手続開始から手元に届くまでに正味一か月強かかりますので、余裕をもって。
CD-Rだと比較的安価で入手できます。

膨大な科目を処理する方法
進捗状況を表にして管理するとよいです。
行方向に科目名、列方向に年度を書き入れ、過去問を解いたら枠に日付を入れる。
この要領で解くと、どの科目が滞っているか一目瞭然です。

一次試験専門の科目選択
森林・自然環境区分は必須問題と選択問題からなります。
選択問題は次の12科目から3科目を選択します。
1.森林環境科学
2.森林資源科学
3.森林生物生産科学
4.砂防学基礎
5.砂防工学
6.流域管理
7.造園学原論・造園材料
8.造園計画(自然公園)
9.造園計画(都市公園)
10.木材特性・木質構造
11.木材加工・材質改良
12.木材成分利用

各科目は概ね訪問可能な官庁に対応しています。
志望する官庁に関連する科目を選択したほうが勉強の動機を維持できると思います。
(官庁訪問の際はどの科目を選択したかは先方にはわからないので、無理に合わせる必要はありませんが。)
環境省→科目8
国交省造園系→科目7, 9
国交省砂防系→科目4, 5, 6
林野庁→その他

一次試験勉強法
必須問題
大学受験で生物を選択した方はさほど苦労しないと思いますが、もし生物を選択しなかった方はとんでもないことになります。
必須問題以前に一次教養試験の生物をみっちり勉強する必要があります。
「過去問500」や「スーパー過去問ゼミ」(いずれも実務教育出版)等解説のある問題集を購入する必要があるでしょう。
また、高校の生物I・IIの教科書が役に立ちます。
ない方は書店で高校の参考書を購入するか取次業者で教科書を購入するとよいと思います。

学校の教科書の取次業者は各都道府県に最低一社あるので、そこで教科書を購入できます。
東京都の場合は総武線大久保駅徒歩一分に「第一教科書」という業者があります。
その他の道府県は次のリンクを参照。(全国教科書供給協会)
http://www.text-kyoukyuu.or.jp/otoiawase.html
高校の教科書をおすすめする理由は、三つあります。
(1)記述が簡潔であること
(2)執筆に多数の教授が関与しており記述に信頼性がもてること
(3)教科書検定というある種の「査読」を経て出版されていること

当然高校生物だけでは「必須問題」は太刀打ちできません。
「選択問題」の一部が「必須問題」に混ざっています。
選択問題の勉強が進めばおのずと必須問題にも手が付けられるようになります。

科目6.流域管理
水理学・森林水文学・河川工学(中でも河川構造物・流砂)・気象が出題細目になります。

科目8.自然公園
自然公園関係の法制度・自然保護関係の国際条約・各国立公園の特徴・保全生態学に分類できます。
環境省自然環境局の案内冊子や自然公園の手引き(国立公園協会)が参考になります。
自然公園法・自然環境保全法等は確実に押さえておきたいところです。

科目9.都市公園
都市公園に関係する法制度が出題されます。
国交省の説明会に参加して、資料をいただけるとかなり勉強がはかどると思います。
(入手できなかったら国交省のWebサイトでpdfを探してみてください。)
都市公園法・都市計画法の一部・景観法・歴史まちづくり法・文化財法・バリアフリーのガイドラインを押さえておく必要があります。

二次試験専門記述式勉強法
必須問題一題と選択問題四科目中一科目を解答します。
二次試験対策には一次試験の過去問をたくさん解くのがよいと思います。
二次試験解答の手掛かりが別の年度の一次試験の設問に混ざっている、なんてことがよくあるためです。

必須問題
「森林・林業白書」や森林に関する書籍をたくさん読んでおくとよいと思います。
例えば、「日本林業はよみがえる」「森林崩壊」など。

科目3.自然環境・公園緑地に関する基礎
自然公園・都市公園の法制度を具体的な事例を用いて論述する問題が多いです。
例えば、「利用調整地区の概要を述べよ。さらにこの制度が適用されている事例を一つ挙げ、その運用状況を述べよ。」といった感じです。
一番いいのは現地に行って実態を知ることでしょうが、それは費用や時間の面で厳しいと思います。
各地方環境事務所のウェブページにpdf資料がありますので、それらを収集しまとめるのがよいと思います。