金曜日、なんとなく逢えるかな?というくらいの、
いつも通りのふんわりした約束をして今日を迎えた。
朝、寝坊しちゃってLINEできなかったから、
お昼休みの合間にLINEを送る・・・と、彼から不機嫌な返信がくる。
仕事で嫌なことがあったらしい。
ちょこちょこ事情を聞きながらランチしていたら。
「今日、会って話したい。もうさっさとあがろ。」
忙しいみたいだから、今日の逢引きは期待しないでおいたのだけれども。
「承りました!」と返事して。
ゆるっと進めていた自分の仕事も加速して片付けた。
定時をちょっと過ぎた頃、先に「さっさと」上がった彼が、
私の最寄のほうまで来てくれていたから、割と早めの時間に落ち合えた。
お疲れモードの彼に、ちょっとゆっくりしてもらいたいなと思って、
落ち着いた隠れ家風の和食屋さんに連れていった。
L字配置のテーブルだったから、彼と近距離で並んで座る。
その時、胸がきゅってなった。
いつも薬指に嵌めてる指輪、今日はしてない―――。
絶対に好きだなんて言ってくれない彼の、心の声なのかな。
まったりご飯を食べて、ちびちびお酒も入りつつ、いろんな話をして笑いあった。
お店を出たら、もう、当たり前みたいに手と手を繋いで並んで歩く。
指と指を絡ませて、ちょっと組み替えて、小指と小指だけ繋いで。
また、指と指を絡ませて。触れ合う指先が、いつもよりくすぐったい。
「ご飯、楽しかったなー」
ふと彼が呟く。
「じゃあ、もう解散する?」
からかいを含ませて返す。
「えー、もうちょっと一緒に居たいー」
なんだか、今日は彼が可愛い。
「楽しいくらいで終わりにしたほうが、次も楽しいよ?」
言葉と裏腹に、手をぎゅって繋ぐ。
急な坂道をゆったりした足取りで並んで歩く。
まだ、一緒に居たい。