英語が苦手な子の多くが口を揃えて言う言葉がある。

「単語は覚えているのに長文が読めない」

 

特に、公立入試では平均点以上は取れる。

でも難関私立の長文になると急に読めなくなるというケースはとても多い。

 

なぜこのような差が生まれるのか。

そしてどうすれば“長文が読める子”になれるのか。

 

まず、公立は読めるのに、難関私立は読めない「3つの理由」について。

 

①扱う語彙のレベルが違いすぎる

公立入試は、学校の教科書レベルを中心に出題される。

一方で、難関私立は 「高校基礎〜大学入試レベル」の単語 も普通に登場する。

 

例:

environment・opinion・relate・various・instead of・communicate

これらは公立でも多少見ることもあるが、難関私立になるとさらに上がって、

complex・influence・behavior・decrease / increase・opportunity・negative / positive

・detailなどが当たり前になる。

 

本人は単語の勉強を頑張っているつもりでも、単語力が“絶対的に足りていない”ケースが圧倒的に多い。

 

②文章の構造が複雑

公立入試の文は、基本的に「中学生が読めるように」書かれている。

 

しかし難関私立は、一文がやたら長い、関係代名詞の塊が多い、抽象度の高い主張文、パラグラフ構成がはっきりしている、接続詞による論理展開が多いなど、日本語でも読みにくい文章が出題される。

 

単語の意味が分かっても、構造が取れなければ読めない。

 

③「読み方」を知らないまま挑んでいる

ほとんどの子が長文を“国語と同じ読み方”をしてしまう。

初めから丁寧に読もうとする・分からない単語が出ると止まる・単語の順番どおり訳そうとするなど。

 

これは公立では通用したとしても難関私立では99%破綻する。

 

必要なのは、英語特有の読み方=英語のルールに従った読み方。

 

では、長文読解ができるようになるには、何を鍛えるべきか

 

長文が読める子になるために必要な能力は、以下の5つに分解できる。

 

①まずは「語彙力」:読めない最大の原因は“知らない単語”

英語の長文読解は、

語彙力が6割、文法理解が3割、読み方の技術が1割と言われるほど、語彙力が重要。

 

★具体的な基準

公立入試だけ → 教科書単語+基本英単語1200〜1500語

難関私立 → 最低でも2000〜2500語は欲しい

多くの子が単語が足りていない。

 

②文法は「読み方の武器」になる

特に必要なのは以下の文法。

不定詞(to+動詞)

動名詞

関係代名詞

接続詞(because / although / however / therefore)

受動態

前置詞

などなど。

 

これらは長文の「骨格」を作る部分。

文法が分からない子は、文章のどこが主語でどこが述語か分からず迷子になる。

 

③英語の「読み方」を身につける

ここが、公立→難関私立に伸びない子の最大の盲点。

 

英語は 前から意味を取りながら読む言語 。

 

ダメな読み方として、日本語訳を作ろうとして後ろから読む・分からない単語で止まる・返り読みを繰り返す

 

正しい読み方としては、S(主語)+V(動詞)をまず見る、重要な接続詞を追う(however / but / because)、文の“流れ”を意識する、段落ごとに「何について言っている?」をつかむなどなど。

 

④音読:実は最強の読解トレーニング

音読は古く聞こえるかもしれませんが、科学的に最強。

 

なぜなら、文構造が頭に入る、語順感覚が鍛えられる、長文を読むスピードが上がる

から。

 

⑤「設問の読み方」も絶対に鍛えるべし

 

難関私立は、問題の言い換え・指示語・要約問題が多いのが特徴。

 

設問は文章に比べて短く、意外にも“設問の読み取り力不足”が点を落とす原因の半分

ということも多い。

 

実は「長文読解で伸びる子」には共通点がある。

 

それは、「知らない単語や文構造を“放置しない”子」・「英語を前から読む癖をつけた子」。

英語の長文はセンスではなく、正しい積み重ねで必ず読めるようになる。

 

公立レベルは取れるのに難関私立が読めない子ほど、正しいやり方に変えた瞬間、

点数が面白いほど伸びる。