フジテレビを揺るがす第三者委員会の報告書で明るみに出た、元SMAP中居正広の性暴力トラブル。その陰で、局内で横行していたとされる「有力な番組出演者」による女性局員へのセクハラ行為。その衝撃の告発者が、かつてとんねるず・石橋貴明から番組内で凄惨なセクハラ被害を受け、フジテレビを提訴した女優・Xさんだった――!
『週刊文春』が石橋の具体的なセクハラ行為を報じる中、『週刊女性』はXさんの怒りの告白を再取材。1992年10月29日放送の『とんねるずのみなさんのおかげです』で、コントの“オチ”として身体を張った演技を強いられていた当時56歳のXさんは、番組の指示で着用したビキニ水着姿に対し、石橋から信じがたい暴言を浴びせられたという。
「おばちゃん、どうでもいいけど、ワキの毛を剃ってよ。毛が見えてるのよ、も〜」「横から××(アンダーヘア)が出てるの!」「いやあ、あんなにキタナイものだとは思わなかった〜」
女性としての尊厳を踏みにじるような石橋のアドリブに、Xさんは笑顔で股間を隠すのが精一杯だった。当時のインタビューでXさんは「私はポルノ女優じゃないんですよ。親戚やご近所にも顔向けできません。石橋さんのアドリブは、ひどすぎます。正直いって蹴とばしたくなりました」と怒りをあらわにした。
しかし、Xさんをさらに深く傷つけたのは、石橋の発言に追い打ちをかけるように放送画面に表示された衝撃的なテロップだった。
〈おばちゃんは素人なので、ムダ毛のお手入れをしてないことをご了承ください〉〈素人なので、横からはみ出してしまったことをご了承ください〉
番組側の卑劣な仕打ちに、Xさんは「確かに私は素人っぽいかもしれませんが、女優なんです。本当の素人さんには、あんなことできませんよ。それなのに……。テロップさえ出なければ、私も裁判沙汰にはしなかったと思いますが……」と涙ながらに語った。
ついにXさんは、1992年11月4日、石橋と番組ディレクターを相手取り、200万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴。フジテレビは「Xさん(回答では本名)の合意を得ていたと了承していたので当惑しています。気持ちを傷つけてしまったことは申し訳ありません」と釈明する一方、石橋サイドは「局に任せている」と逃げの姿勢に終始した。
「こうなった以上、もう使ってくれないでしょう。きっと“おばちゃんは死んじゃった”なんてギャグにされるんでしょうね」と寂しく笑ったXさん。後に和解は成立したものの、彼女がテレビで見かけることはなくなった。
とんねるずとフジテレビが全盛を誇った時代、Xさんの「セクハラを許さない」という勇気ある行動は、テレビ局の根深かった悪しき習慣に一石を投じたのかもしれない。今回のフジテレビの調査報告書は、過去の闇を再び白日の下に晒し、改めてセクハラ根絶への意識を高める警鐘となるだろう。
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